一般財団法人において資産要件を割り解散事由に該当したが継続したい場合(又は解散したい場合)
一般財団法人において資産要件を割り解散事由に該当したが継続したい場合
一般財団法人固有の解散事由
一般財団法人固有の解散事由として、「連続する2事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が300万円未満となった場合(一般法人法202Ⅱ.Ⅲ)」と「一般財団法人の目的たる事業の成功の不能(一般法人法202Ⅰ)」に該当した場合は解散するとされています。
一般財団法人は一般社団法人と異なり、自主的に解散することは出来ません。なぜなら設立者が定めた目的を実現することが一般財団法人の役割であるため、設立後における法人機関の意思決定によって自主的に解散をさせるべきではないとされているからです。
2期連続純資産が300万円未満となり解散事由に該当した場合
連続する2事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が300万円未満となった場合において、継続したい場合と解散したい場合それぞれについて解説します。
一般財団法人は、前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも300万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。
継続をする場合
継続を希望する場合、純資産300万円以上に戻せば(新たに拠出すれば)、継続申請をすることが可能です。
おおまかな流れとしては、一度解散し、すぐに財団法人へ資金を拠出し、貸借対照表上の純資産を300万円以上に回復させた上で、決算書を作成・添付の上、継続登記を申請することになります。
解散時期については、条文上「翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散」とありますので、例えば令和4年と令和5年の決算において純資産が300万円未満となる場合は、令和6年の定時評議員会の時に解散することになります。
資金の拠出時期については、例の場合は、令和5年中に拠出してしまっても構いません。法務局は、貸借対照表上の純資産額が300万円以上になっているのかを確認します。
なお、役員については解散時に一旦すべて退任しますので、元通りに戻す場合は、改めて選任し、復活させるということになります。
解散の官報公告については、掲載不要となります。
解散公告は、法人債権者に向けたもので、法人を清算することを前提とする場合に行うものですので、継続を前提とする場合は掲載が不要ということになります。
清算をする場合
継続する意思がない場合(清算をする場合)は、解散公告の掲載を行い、通常通り清算手続きをすることになります。
解散時期については、上記同様、条文上「翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散」とありますので、令和4年と令和5年の決算において純資産が300万円未満となる場合は、令和6年の定時評議員会の時に解散することになります。
手続きのご依頼・ご相談
本日は一般財団法人において資産要件を割り解散事由に該当したが継続したい場合(又は解散したい場合)について解説しました。
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