株式分割

種類株式発行会社が行う株式分割の注意点

種類株式発行会社が行う株式分割の注意点


株式分割とその効果

株式分割においては、株式を分割しても、株主の地位や会社債権者に対して実質的な影響を及ぼさないので、取締役会設置会社においては取締役会、取締役会非設置会社においては株主総会の決議によって決定することができます。

会社法183条
1.株式会社は、株式の分割をすることができる。
2.株式会社は、株式を分割しようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあたっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
①株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第3号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式に係る基準日
②株式の分割がその効力を生ずる日
③株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類



株式分割によって期待できる効果は、以下の通りです。

①株価が高騰しすぎたとき株価を引き下げる
②株式数を増やしてその株式の市場性・流動性を高める
③分割後の配当額等の移管によっては、実質的な増配や株価上昇の利益を株主にもたらす


種類株式発行会社が株式分割する場合に注意すべきこと

資金調達を目的として株式を発行する場合は、1株の価格を下げる目的で株式分割が利用されます。
株式分割を行う株式会社が、種類株式発行会社である場合、いくつか注意しなければならない点があります。

①どの種類の株式を分割するかを1株につき何株に分割するかを決定しなければならない
②種類株式発行会社においては、発行可能株式総数を変更する場合、株主総会の特別決議を省略できない
③種類ごとに分割決議が必要
④種類株主総会の決議を排除している場合には、反対株主の株式買取請求権が生じること
⑤定款に種類株式に関して定められていないかを確認する必要がある
⑥ある種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合には、種類株主総会の決議も必要となること



発行可能株式総数を変更する場合は、定款変更なので、株主総会の特別決議を経なければなりませんが、普通株式のみを発行している会社は、株式分割の割合と同じ範囲内であれば特別決議を要せず迅速に変更することができます(会社法184条2項)。
しかし、184条2項のカッコ書きにも記載されている通り、種類株式発行会社である場合は、この決議を省略することはできません。
会社法第322条1項に係る種類株主総会の決議は、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときに求められます。したがって、発行可能株式総数または発行可能種類株式総数の増加については、株主総会の決議及び種類株主総会(普通・A種優先)の決議を要します(会社法第322条1項1号)。種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めている場合においては、株主総会の決議は不要となります(会社法第322条2項)。

しかし、種類株主総会の決議を排除している場合には、反対株主の株式買取請求権が生じます。また、「全ての種類の株式について同時に同一割合で分割する」というように、定款において種類株式に関する定めが置かれていないかなどを確認する必要があります。会社は、普通株式のみ、若しくは種類株式のみを株式分割することも可能です。普通株式を1000株、A種類株式1000株を発行している会社が、普通株式についてのみ1株を10株に分割する、若しくは、普通株式については1株を10株に分割してA種類株式については1株を5株に分割したりするということも可能です。しかし、ある種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合には、種類株主総会の決議が必要となります。

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本日は種類株式における株式分割の注意点などについて解説しました。
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