株式 / 法人手続

株式会社による自己株式の取得!メリットとデメリットを解説



株式会社による自己株式の取得


自己株式の取得とは

自己株式の取得とは、発行済株式を自社が取得することをいいます。
上場企業であれば頻繁に行われていますが、中小企業においても特定の株主から株式を取得することは可能です。
旧法では、自己株式の取得は、資本金維持の原則に反する、株主平等原則に反する、会社支配の公正を害する、株式会社の公正を害するとして弊害があると指摘されていました。
しかし、会社法では、資本維持の原則に反することなく、株主などを害さないように財源方法及び取得方法規制の下で自己株式の取得を許容しています。したがって、自己株式取得の弊害を避けるため、会社法155条における事項のみ自己株式の取得は許されています。

会社が自己株式を取得できる場合

会社が自己株式を取得できる場合は以下の通りです。

①取得条項付株式であり取得事由について定款の定めの事由が生じた場合
②譲渡制限株式の譲渡を承認しない場合に請求があった場合
③取得制限株式の規定による請求があった場合
④全部取得条項付種類株式の取得に関する決定の決議があった場合
⑤相続人に対する売り渡し
⑥単元未満株式の買取
⑦所在不明株主の株式の買取
⑧1株未満の単数処理
⑨他の会社の事業の全部を譲り受ける場合
⑩合併後消滅会社、吸収分割をする会社から株式を承継する場合



株式の取得を株主総会で決定する場合は、以下の事項を定めなければなりません。

①取得する株式の数及び種類
②株式取得と引き換えにする金銭
③株式を取得することができる期間(1年未満)


自己株式のメリット

自己株式には以下のようなメリットがあります。

①募集株式発行等に伴う株主の持ち株の低下を防ぎながら、機動的な組織再編ができる
②株式の受給関係を調整し、持ち合い株式の解消のための受け皿となる
③敵対的買収をしようとする者に取得されることを防ぐことができる
④市場に出回る株式が減少するため、相対的に株価が上がり、株主からの評価が高くなる
⑤M&Aにおける対価として利用することができる
⑥相続・贈与を伴う事業譲渡において、承継社に取得させ、資金を得ることができる


自己株式のデメリット

また、以下のようなデメリットがあります。

①会社の資金を利用して取得する場合、会社の資金繰りに影響する可能性がある
②買取価格によっては株主への税金負担が重くなる


自己株式の処分・消却

取得した株式は処分・消却することができます。
自己株式の処分とは、取得した自己株式を社外に売却・放出することをいいます。
これは、資金調達を目的として行われます。それに対して、自己株式の消却とは、自己株式を消滅させることをいいます。自己株式を消滅させることで株価を安価に放出せず、株価の上昇を期待できます。
このように、自己株式の取得の弊害を避け、会社法規定の範囲内であれば、自己株式の取得を有効に活用することができます。

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本日は自己株式の取得などについて解説しました。
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