契約書等作成、チェック / 裁判事務

なぜ秘密保持契約書を締結するべきなのか?記載する内容は?締結のメリットや不正競争防止法との関係を解説



秘密保持契約(NDA)


秘密保持契約(NDA)と不正競争防止法の関係

企業の事業活動において、取引先との様々な情報のやり取りが必要となります。
秘密保持契約(N D A:Non-Disclosure Agreement)は、他社との取引において、互いに営業上・技術上・経営上の秘密を適切に保持するという意思表示を明確に表し、開示された情報を本来の目的外に使用することや第三者への提供・漏えいをすることのないように締結する契約です。
不正競合防止法2条6項には、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって公然としられていないもの」を営業秘密として、法的に保護しています。
違反した場合は、民法上の措置においては、差止請求・損害賠償請求・信頼回復措置請求の対象となります。
また、刑法上の措置としては、営業秘密の侵害の対象とし、10年以下の懲役もしくは2000万円以下の罰金が科される可能性があります。

しかし、その定義に当てはまらないものについては、その他の秘密情報として法的な保護規定は定められていません。したがって、秘密保持契約により個別にその情報を保護することを要します。また、営業秘密の要件に当てはまるか否かは、裁判所の審査によって判断されますが、その審査はとても厳格であり、該当とならない場合に備えて、秘密保持契約によってリスクを担保しておく必要がある場合があります。

秘密保持契約書を締結するメリット

秘密保持契約を締結するメリットとは、秘密情報を保護し、違反の抑止力になるということ、信頼関係を構築できるということなどが挙げられます。
そのため、締結すべきタイミングが重要となります。締結すべきタイミングは、秘密情報を開示する前に締結しなければなりません。
取引自体の成立・不成立に関わらず、打ち合わせや製品・サービス説明の時に秘密情報の開示をしなければならない場合があります。
そのような場合、開示前に秘密保持契約を締結していなければ、開示してから秘密保持契約の締結時までは、「口外しない」という約束したとしても、ただの口約束となってしまい、秘密情報を明確に保護することはできません。締結事に明確にしておかなければならない点は以下の通りです。

・秘密情報の使用目的
・秘密情報の定義・範囲の明確化
・義務違反事の処置方法
・保持期間
・契約終了後の取扱い
・例外的に第三者に開示する場合はその旨



また、秘密保持契約書における規定例は以下の通りです。

・秘密情報の利用目的
・秘密情報の定義
・秘密情報の開示を受けた場合の義務(目的外利用の禁止、第三者への開示の禁止等)
・秘密情報の取扱いについて(管理の方法等)
・返還・削除義務
・損害賠償
・有効期限、存続条項



このように、メリットを最大限に生かして秘密保持契約を締結するには、専門的な知識を要します。したがって、安全な取引を行うためにも、締結前に専門家に相談することをお勧めします。

手続きのご依頼・ご相談

本日は秘密保持契約書について解説しました。
手続きに関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



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