株式会社における株主名簿管理人廃止の登記手続について
株式会社における株主名簿管理人廃止の登記手続について
株主名簿管理人とは
株式会社では株主が誰であるか、権利について株主名簿等で管理しています。
もっとも、株式会社の規模が大きくなり、株主の人数が多くなるほど、管理事務は煩雑になります。
そのため、株式会社では株主名簿管理人を設置し、株式会社に代わって、株主名簿や新株予約権原簿、株券発行会社における株券喪失登録簿の作成や備置きなどの事務を委託するケースが少なくありません。
いつでも気軽に設置できるわけではなく、定款で定めることが必要です。
なぜなら、本来は株式会社が自ら行う事項だからです。
新たに株主名簿管理人を置くために定款変更をするには、株主総会の特別決議が必要になります。
なお、株主名簿管理人の資格については、特に法に定めはありません。
実務上は、信託銀行や証券会社など、社会的に信頼があり、専門的な金融機関に委託されることがほとんどです。
株主名簿管理人廃止が行われるケースと登記に必要な書類について
株主名簿管理人廃止が行われるケースとして、株主名簿管理人の設置を定めた定款を変更する場合、株式会社側から株主名簿管理人との契約を解除した場合、株主名簿管理人から契約を解除した場合が挙げられます。
いずれの場合も、株主名簿管理人を廃止した時点から2週間以内に登記が必要です。
登記手続を行うにあたっての必要書類を確認していきましょう。
なお、いずれのケースも登記を司法書士などに委任する場合には、委任状が必要です。
定款変更で株主名簿管理人の定めを廃止する場合
株主総会において株主名簿管理人は不要といった議題になり、特別決議で定款変更をして廃止した場合、登記をするには廃止決議がなされた株主総会議事録、株主総会時点での株主リストが必要で、株主総会決議日から2週間以内に登記しなくてはなりません。
株式会社側から株主名簿管理人との契約を解除した場合
委託した金融機関に問題が生じた場合や株主名簿管理人が不要になったなどの事情で、株式会社側から株主名簿管理人との契約を解除する場合、事務委託契約解除を取り決めた取締役の決定書または取締役会議事録を添付して、契約解除日から2週間以内に登記をしなくてはなりません。
株主名簿管理人から契約を解除する場合
なんらかの事情で、株主名簿管理人から契約を解除する場合、登記手続を行うにあたって、特別な添付書面は求められていません。
ただし、登記申請書に、従前の株主名簿管理人から契約を解除した旨を記載することが求められます。
登記は、契約解除日から2週間以内に登記をしなくてはなりません。
手続きのご依頼・ご相談
本日は株式会社における株主名簿管理人廃止の登記手続について解説しました。
登記に関するご依頼ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。