株主総会の招集通知はいつまでに発送する必要がある?公開会社の場合と非公開会社の場合に分けて解説
株主総会の招集通知の発送時期について
株主総会の招集通知の発送の重要性
株主総会を開催するにあたっては、招集通知の発送が必要です。
開催するために、招集通知を発送することが重要なのは、議決権を持つ株主が確実に議決権を行使できるようにする必要があるからです。
もし、招集通知が発送されなかった場合や開催日より後に届くようなことがあれば、議決権を行使できない株主が発生してしまいます。
そのため、会社法で株主総会の招集通知の発送時期が定められており、一部の例外を除き、定款で別の定めをすることもできません。
また、株主総会の招集手続に法令違反がある場合や一部の株主に招集通知が発送されないなどの著しく不公正な手続きが行われた場合、株主総会の決議取消の訴えを起こすことが可能です。
いつまでに発送しなければならないか
では、株主総会の招集通知はいつまでに発送しなくてはならないのでしょうか。
公開会社の場合
公開会社の場合は、株主総会を開催する日の2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。
2週間前までなので、株主総会開催日の15日前が招集通知の発送期限となります。
非公開会社の場合
株式を上場していない非公開会社の場合、株主総会開催日の1週間前までに招集通知を発送しなくてはなりません。
そのため、株主総会開催日の8日前が招集通知の発送期限となります。
ただし、非公開会社で取締役会を設置していない会社の場合は、定款で定めることで、招集期間を1週間未満にすることも可能です。
取締役会を設置していない非公開会社の場合、株主が少人数や経営者のみの同族会社が多く、すぐに集まることができるといった事情があります。
もっとも、非公開会社であっても、書面投票制度・電子投票制度を採用した場合には、株主総会開催日の2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。
公開会社は発送期限を短縮できない理由
株主総会は、近年でこそオンライン開催もできるようになりましたが、基本は1つの場所に集まって行われます。
また、招集通知は原則として書面、つまり郵送で行わなくてはなりません。
公開会社は株主が全国に分散していることが多く、郵送にかかる日数も長くなるうえ、遠方から株主総会にやってくるための準備なども必要になるので、2週間前までが原則です。
書面投票制度・電子投票制度を採用すると2週間前になる理由
非公開会社は、原則として1週間前までに発送することが求められますが、書面投票制度・電子投票制度を採用すると2週間になるのはなぜでしょうか。
電子投票ならインターネットで簡単にできますが、書面で議決権を行使する方も少なくありません。
すると、ハガキや封書を郵送してくる日数がかかるため、往復の日数を考え、2週間と長くなります。
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本日は株主総会の招集通知の発送時期について解説しました。
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