組織再編時の事前備置書面の備え置き期間
組織再編時の事前備置書面の備え置き期間
組織再編と事前書面の備え置き
組織再編とは、吸収合併や新設合併などの合併や吸収分割や新設分割などの会社分割をはじめ、株式交換や株式移転、株式交換などを行い、会社組織を編成し直すことです。
いずれも、株式会社の株主や債権者などの利害関係者に大きな影響を及ぼすため、事前に組織再編の条件などについて記載した書面を本店に備え置き、情報開示をしなくてはならないとされています。
書面は株主総会決議や債権者の異議を述べる手続きの参考資料にもなるため、備え置く時期についても気を付けなくてはなりません。
事前備置書面の備え置きをスタートする日
事前備置書面は、その名の通り、組織再編を行う前に備え置かなくてはなりません。
では、いつから備え置きをすれば良いのでしょうか。
まず、組織再編について株主総会の承認決議が必要な場合は、株主総会の決議日の2週間前の日から備え置かなくてはなりません。
なお、株主総会決議をみなし決議で行う際は、株主への議案の提案日から備え置くことが必要です。
株主又は新株予約権者に対して合併等の相手会社の商号と住所の通知をするか、公告した日のいずれか早い日からのケースもあります。
また、債権者保護手続きにおける公告日又は催告日のいずれか早い日が基準となることもあります。
上記の該当ケースで最も早い日から備え置くのが基本ですが、該当するケースがない場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から2週間を経過した日です。
一般的には、債権者保護手続きの開始と同時に事前備置書面の備え置きをスタートさせることが多いです。
つまり、債権者保護手続きを行う旨の公告を官報に掲載した日が主流になります。
これに対して、組織再編時に債権者保護手続きがいらないケースでは、株主総会の招集通知を送付する日からです。
なぜかというと、株主総会の招集通知で相手会社の商号と住所の通知を行うことが多いためです。
事前備置書面の備え置き期間
では、事前備置書面はいつまで備え置くかというと、組織再編の効力発生日から6ヶ月を経過する日までとなります。
事前備置書面はいつまで備え置いた日から6ヶ月ではなく、実際に組織再編が実行された効力発生日からカウントするので気を付けましょう。
なお、吸収合併の場合、消滅会社は会社の存在がなくなるので、消滅会社としての本店もなくなることになります。
そのため、吸収合併の効力発生日から6ヶ月を経過するのを待つことなく、事前備置書面の備え置きをスタートした日からまで吸収合併の効力発生日まで備え置きが必要です。
手続きのご依頼・ご相談
本日は組織再編時の事前備置書面の備え置き期間について解説しました。
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