合同会社の社員が退社をする時の手続きや持分の払戻しについて【債権者保護手続きの有無など】
合同会社の社員が退社をする時の手続きや持分の払戻しについて
合同会社における社員の出資と退社について
合同会社の社員は出資者であり、経営者でもあります。
たとえば、社員が2名集まって、それぞれ100万円ずつ出資をして、資本金200万円で合同会社を設立した場合にそのうちの1名が退社したい場合、どのような方法があるでしょうか。
社員の退社事由
合同会社で社員が退社する方法には、任意退社、定款の定めや死亡、合同会社の解散など法定退社事由の発生などがあります。
任意退社の場合、定款に特別の定めがある場合を除き、退社したい日の6ヶ月前までに予告を行えば、各事業年度の終了日に退社が認められます。
また、やむを得ない事情ですぐに辞めたい場合は、全社員の同意があれば、退社することが可能です。
退社する場合、出資した持分をどうするかが問題になります。
持分の行方
退社時の手続きとして、持分の払戻しを受ける方法と、残る社員に持分を譲渡したうえで退社する方法があります。
持分の払戻しを受ける場合、退社に伴い資本金の額が減少することになります。
そのため、債権者保護手続を行わなくてはなりません。
1ヶ月以上の一定期間にわたって官報に公告を行い、債権者が明らかな場合には個別の催告が必要です。
持分の譲渡による退社手続
退社する社員の持分の全額を、既存の社員に譲渡する場合、資本金額の減少はないので、債権者保護の手続きは必要ありません。
ただし、持分を他の社員に譲渡することについて、社員全員の同意が必要です。
先の例のように2名で出資して合同会社を経営している場合、お互いに同意すれば譲渡ができ、退社手続も円滑に進みます。
これに対して、社員が複数名いる場合に、そのうちの1名が、そのうちの1名に持分を譲渡するような場合は、ほかの社員も含め、全員が持分譲渡に同意をしないと譲渡ができません。
また、譲渡したい相手がほかの社員ではなく、第三者の場合はどうでしょうか。
この場合、第三者が新たに社員になることになるため、定款変更も必要です。
そのため、定款変更についても、総社員の同意を得なくてはなりません。
持分譲渡や定款変更について総社員の同意が得られれば、持分の譲渡手続と定款変更の手続き、社員の退社と加入の手続きを同時に行うことが求められます。
もっとも、社員の数が少なく、かつ退社や持分譲渡にあたって、社員間で事前によく話し合いを行っておけば、比較的スムーズに行えるでしょう。
手続きのご相談・ご依頼
本日は合同会社の社員が退社をする時の手続きや持分の払戻しについて解説しました。
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