相続、遺産承継業務 / 相続放棄

亡くなった父が連帯保証人だった!相続するとどうなる?相続放棄しても保険金は受け取れる?



亡くなった父が連帯保証人だった!相続するとどうなる?


マイナス財産の相続

被相続人の死亡によって相続が開始したときは、残された財産を確認する上で、現金などのプラスの財産を受け継ぐことをイメージされる方が多いと思われます。
ただし、相続には、不動産や株式などプラスの財産だけではなく借金などのマイナスの財産を相続する場合もあります。

連帯保証人の地位

そのマイナスの財産の中の1つに含まれるのが連帯保証人の地位です。
連帯保証人とは、借金をしている本人と連帯する形で保証しますということですので、もしも実際に借りていない人であっても連帯保証人となっているのであれば、借りている人とほぼ同様クラスの責任が問われることになります。なお、民法改正により、連帯保証人が個人の場合、支払義務を負う限度額(極度額といいます。)を定めないと保証契約は無効となりますので、その限度額の範囲で弁済することとなります。そのため、民法改正後に連帯保証人となった人の相続人については上記の限度額の範囲で弁済するということとなります。
亡くなった父が連帯保証人である場合、財産を相続するのであれば、その連帯保証人の地位も相続する事になるわけです。

事業者は個人保証に入っているケースが多い

よくある事例で考えますと、親が会社を経営しており、その会社の借入について親が連帯保証人になっているケースです。
このような場合、親を相続をするのであれば、連帯保証人の地位というマイナスの財産も相続しなければなりません。

ちなみに、保証人には、連帯保証人と保証人がありますが、これには責任の観点から少し違いがありますが、結果的に保証しているわけですから、借りている本人が払えず、連帯保証人も返済できない場合は、もれなく保証人がその債務に対して責任を取らされます。ですので、保証人の相続があった場合についてもマイナスの財産といえます。

相続放棄という選択肢

ですので、このような連帯保証人などのマイナスの財産を取得したくないという場合には、相続放棄をするという選択肢があります。
相続に関する権利義務を放棄するわけですから、プラスの財産は貰えませんが、代わりにマイナスの財産も承継しなくてすみます。

相続放棄していても保険金は受け取れる

また、相続放棄をした場合であっても、被相続人が掛けていた生命保険金の受取人を、相続放棄した人にしている場合には、この保険金を貰う事は可能です。
これは、亡くなった被相続人の財産ではなく、受取人側のものとなるからです。

相続放棄注意点

注意する点としては、相続放棄をする場合には期限があることです。
その期限は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です(民法915条1項)。
被相続人が死亡したときは、財産がどのくらいあるのかや、相続人がどれだけいるかを調べる行為や、葬式から遺品整理まで、かなり忙しい状況が想像される中、放棄をするのかしないのかを決定し、相続放棄をすることに決めたのであれば相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申立てをしなければなりません。
ですので、被相続人が連帯保証人や保証人となっていた場合、プラスの財産でこれらの責任を賄えると判断するのであれば、相続した方が良いかもしれませんが、その連帯保証人となっている保証の範囲で考え、負担となるという事であれば放棄を選択するという事になるでしょう。

まとめ

本日は相続について解説しました。
相続に関するご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。


本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

債務整理・商業登記全般・組織再編・ファンド組成などの業務等を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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