外国会社

疑似外国会社とは?外国会社との違いや日本における継続的取引の有無などについて



継続営業が禁止された擬似外国会社


国内で営業する外国系企業

日本国内には数多くの外国系企業が進出しており、中には日本の会社と勘違いしてしまうほど日本に溶け込んでいる会社もあります。
日本の会社は日本の法律に準拠して設立されますが、日本以外の国の法律に準拠して設立された会社は、一般に外国会社と呼ばれ、民法36条により日本での法人格が認許され活動が可能です。

外国の法律に準拠して設立されたとはいえ、日本国内で営業活動するためには日本の法律に従う必要があります。
日本の会社法の中には外国会社に対して特別に定められた規制もあり、日本の法律を逃れることや日本人が不利益を被ることのないようにしています。

日本で主たる営業を行っている外国会社

外国会社の中には、その会社が設立された国が主なる営業国ではなく、日本での営業が主となっている会社もあります。
このような外国会社のことを擬似外国会社と言います。

ただ、擬似外国会社は日本において継続的な取引を行うことができません。
会社法にもとづいて設立された会社ではないにもかかわらず、実質上日本の会社と変わらない営業をするのは、日本の会社にとって不利益となり得ますし、取引相手が不利益を被ることもあり得るからです。

はじめから日本でビジネスを行うことを想定して、外国の法律で会社を設立された可能性もあります。
もし違反した場合は過料の制裁が課せられるのです。
また、取引相手も連帯責任を負います。

旧商法においては

旧商法でも擬似外国会社に対する規制がありましたが、2006年5月1日に「会社法」が改正されるまで、外資系証券会社や外資系投資ファンドなど多数の擬似外国会社が継続的に営業活動を行っていました。
特に、外資系投資ファンドの不良債権などへの投資を目的とした擬似外国会社が多く存在していたようです。
これらの擬似外国会社は、SPC(特別目的会社)として、アメリカ・デラウェア州やケイマン諸島の法律により会社を設立することが多かったようです。

解決策として

しかし、会社法の成立後は、継続取引が明確に禁止されたことや取引相手も連帯責任が問われるようになったことから、擬似外国会社をSPCとして活用することが難しくなりました。
擬似外国会社を継続して営業するためには、日本の会社と同じように日本の会社法に準拠した株式会社や特例有限会社、合同会社等を新たに設立し、擬似外国会社からの資産を移すしかありません。
ただし、コストがかさむため必ずしも得策とは言えないかもしれません。

まとめ

本日は疑似外国会社についてご紹介いたしました。
外国会社の登記などに関するご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。


本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

債務整理・商業登記全般・組織再編・ファンド組成などの業務等を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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