債務承認弁済契約とは【公正証書作成など】
債務承認弁済契約について解説
債務承認弁済契約とは
債務承認弁済契約とは、金銭消費貸借契約などをすでに締結して、金銭の弁済義務のある債務者とその債権者の間で、債務をどのように履行するか、もし履行できなかった場合はどうするかを改めて取り決めるための契約です。
もう少しわかりやすくいうと、どのようにしてお金を返していくか、もしその通りに返済できなかったらどうするかを、より詳しく定める契約となります。
一般的には、お金の貸し借りを行う金銭消費貸借契約で利息や返済の方法、返済日などを定めているので、わざわざこうした契約をしなくても、債務者は返済義務を履行しなくてはなりません。
にもかかわらず、債務承認弁済契約を締結するのは、債務者がしっかりと履行することを債権者に約束することで、互いの信頼関係をより強固にする目的があります。
債務承認弁済契約は、金銭消費貸借契約をはじめ、売掛金の支払いや不法行為や債務不履行に基づく損害賠償金の弁済契約を締結した当事者同士でも締結されることも少なくありません。
債務承認弁済契約でどのようなことを取り決めるのか
金銭を借りた後、返済が厳しくなった時や取引先の売掛金の支払いが滞って未収金が発生した時、委託や請負によって損害が発生し、損害金の支払い義務が生じた時、会社の役員や従業員が会社のお金を使い込んで不法行為などによる賠償金を請求する際など、支払方法や今後の対応などを当事者間で取り決め、契約書を取り交わします。
契約書に記載する主な内容としては、次のとおりです。
・債務の内容
・返済方法と返済期日
・利息の定め
・遅延損害金の定め
・期限の利益喪失事由
・連帯保証人など
金額や利息、返済方法などについては、貸し借りをする際や賠償金の支払い契約でも取り決めています。
そのため、支払いが滞った場合の遅延損害金の利率やその支払い方、万が一支払いができなかった時は強制執行を受けてもやむを得ないことなどについて、しっかり取り決めをし、債務者の合意を取り付けておくことがポイントです。
遅延損害金については、金銭消費貸借契約書の必須記載事項ではありませんが、返済を遅延した場合には、法律上、当然に法定利息年3%遅延損害金が発生します。金銭消費貸借契約書で遅延損害金の払い方などについて詳しく取り決めていなかった場合に、返済が厳しくなりそうな時など、債務承認弁済契約でしっかりと取り決めておくことで、債権者としては取り逃しを防ぐことが可能です。
公正証書で作成することにより執行力を持つ
既に金銭消費貸借契約が存在して、その上で、改めて契約書を作成するため、この際には公正証書で作成する方も少なくありません。
公正証書で作成するメリットは、公正証書に強制執行認諾条項を設けることによって、万が一弁済がされなかった場合でも、裁判を起こさずにすぐ相手の財産に強制執行をかけることが出来ます。
さいごに
本日は債務弁済契約書について解説いたしました。
契約書の作成・チェック・公正証書作成については永田町司法書士事務所までお問い合わせください。