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肉親同士の相続争い(争族)に巻き込まれないための方法-法務担当者向け基礎知識-

肉親同士の相続争い(争族)に巻き込まれないための方法


争族を避けるためには

相続が発生した際に、非常に多いのが、肉親同士の相続争いです。
相続人が1人しかいないのであれば争う相手もいないわけですから、トラブルにはなりません。
しかし、複数の相続人がいる場合には、「亡くなった人の世話をずっとしてきた自分がこれだけしか相続できないのに、なにもしなかったあの人が私より多く相続するのはおかしい」などといった争いになる場合があります。このような状況を「争族」といったりします。
ではこのような「争族」を避けるためには、どのようにしたら良いのでしょうか。

生前に説明と理解を得る

まず、肉親同士が相続で争わないように、被相続人(亡くなられた人)が、財産分与の内容に差が生じないようにしたり、差を設けるのであればその理由等を事前に相続人に伝えて相続人に納得してもらっておくことが大変重要です。
例えば、兄は土地と家を継ぐ代わりに父の介護をしていたので、土地と建物は兄に、弟である自分は自由にさせて貰っていたので、現金を少し相続財産として貰えればよい・・・など、相続人同士で納得ができるよう話し合いをしておいたほうがよいでしょう。

生前に亡くなった後のことを話すのは縁起でもない、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、被相続人が亡くなった後では、もう本人と会話をすることができません。
ですので、被相続人は自分の思いを相続人に伝えておくということが、肉親同士で争わなくて済む一つの方法です。

争族に巻き込まれたら?

次に、「争族」に巻き込まれてしまった場合はどうすればよいのでしょうか?
相続人が複数いる場合に、相続分を貰おうとすると、何かしら他の相続人である肉親と揉めるといったトラブルにもなりかねません。
どうしても「争族」に巻き込まれたくない場合、相続財産の取得は諦めて相続の放棄をすることです。

相続放棄をすることによって、自分は相続分はいらないというわけですから、話し合いに参加する必要もありませんし、相続分は貰えなくなりますが、マイナスの相続(借金・ローン)があってもこれらを相続することが一切ありません。
結果的に、肉親同士の「争族」から完全に回避することが可能となります。

また、もし自分の貰える分が極端に少なく、揉める場合については、遺留分侵害額を請求することができる場合もあります。
遺留分は最低限もらえる範囲を定めた法律ですので、もし共同相続人の中に弁護士をつけている人がいれば、向こうはプロですので、請求された遺留分侵害額は支払わないといけないことを共同相続人に納得がいくように説明してくれるでしょう。

なにはともあれ、親や家族が亡くなったのに、その悲しみの中、新たに肉親同士で争うのはできるだけ避けたいことです。
ですので、一番は、被相続人がしっかり相続人に対して財産分与について理解・納得してもらうことや、巻き込まれてしまった相続人からしてみれば、相続放棄をいう手も考慮しておくことが必要です。

さいごに

本日は争族についてご紹介させていただきました。
相続・遺産承継に関するご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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