登記申請手続(各種)
- 取締役と執行役が同時に就任する場合、就任承諾書は一体化できますか?
実務上「執行役兼代表執行役」としてまとめる方法を取ることもありますが、あくまで肩書きごとの承諾が必要である点は変わりません。誤解を避けるためには別紙作成が望ましいです。
- 執行役の就任承諾書に住所の記載は必要ですか?
原則として必要です。もっとも、代表執行役の場合には印鑑証明書の添付で住所記載を省略できる運用もあります。ただし、法務局によって扱いが異なるため、事前確認が推奨されます。
- 指名委員会等設置会社の代表執行役の就任承諾は、議事録で代用できますか?
可能です。ただし、取締役会議事録に「席上就任承諾」の記載があり、かつ被選定者本人の個人実印が押印されていることが条件です。実印がない場合は別途就任承諾書を作成する必要があります。
- 指名委員会等設置会社で取締役と執行役を兼ねる場合、就任承諾書は1通でよいですか?
原則として肩書きごとに就任承諾が必要です。取締役としての就任承諾書があっても、執行役としての就任承諾書は別途作成する必要があります。
- 自己株式の消却は必ず取締役(または取締役会)の決定で行わなければならないのですか?
必ずしもそうではないと考えます。
会社法178条は「取締役会設置会社では取締役会の決議による」と定めていますが、株主総会で決議してはいけないとは書かれていません。したがって、株主総会決議でも有効と考えられます。なぜ「取締役の決定」との表現が出てくるのかについては、
平成18年3月31日民商第782号通達で「会社は取締役の決定により自己株式を消却できる」と記されたためです。この書きぶりから「取締役決定に限る」と誤解されることがあります。取締役会を設置していない会社においては、株主総会が万能機関として機能しますので、株主総会決議で処理して問題ないと考えられます。
ただし、登記審査では「取締役決定」を前提に指摘を受ける可能性があるため、実務上は慎重に対応が必要です。



