種類株式
- 全部取得条項付種類株式の活用にはどんなメリットがありますか?
株式を一括取得できるため、キャッシュ・アウトの強力な手段となります。
- 取得条項を使うより、株式の「種類変更」で対応した方が良いのでは?
実務上も、種類変更で代替できる場面はあります。ただし、種類変更は株主全員の同意が必要となるため、同意が得にくい場合は現実的ではありません。
取得条項は、事前に定款で定めておけば多数決で手続を進められるため、場面によっては有効な選択肢となります。- 取得条項付株式の取得手続で登記に必要な添付書類は何ですか?
基本は以下のとおりです。
・取締役会議事録(取得日を決定した場合)
・取得事由発生を証する書面(ただし不要と整理されるケースもあり、代表取締役の上申書で代替できることもある)
・株券発行会社の場合:株券提供公告証明書、未発行なら株主名簿など法務局によって取扱いが異なるため、事前相談が必須です。
- 取得条項付株式の取得手続において、通知は事前か事後かどちらが必要ですか?
イ型(一定の事由発生) → 事後通知で足ります。
ロ型(会社が別途定める日) → 2週間前までの事前通知が必要です。もっとも、「いつでも」とするイ型の条項でも、株主保護の観点から取締役会で取得日を決定し、その後速やかに通知するのが一般的運用です。
- 「令和●年●月●日以降いつでも」とする取得条項は有効ですか?
有効とされています。商業登記全書でも例示されており、株主全員の同意を得て定款変更するため、株主に不利益な条件であっても容認されると解されています。
ただし、表現によっては「会社が恣意的にいつでも取得できる」と誤解される恐れがあるため、取締役会で取得日を決定し議事録に残すなどの補強が望まれます。