過料

「会社法違反事件」の通知が届き過料決定を受けたらどうすべきか?

過料決定通知を受け取られた方へ

ある日突然、裁判所から「会社法違反事件」と記載された通知が届いたら、多くの方が驚くことでしょう。
これは、会社の登記手続きに関する「過料決定通知」である可能性が高いです。
「過料」という言葉には聞き馴染みがないかもしれませんが、これは刑事罰ではなく行政罰であり、前科がつくものではありません。

では、どのような場合に過料が科されるのか?異議申し立ては可能なのか?
本記事では、過料決定の仕組みと対応策について詳しく解説します。

どのような場合に過料が科されるのか?

過料が科される主なケースは、以下の2つです。

① 登記懈怠(とうきけたい)

会社の代表取締役の変更や本店移転などの登記事項に変更が生じた際、法定期限内に登記を行わなかった場合、過料が科されることがあります。
(例)
・取締役の改選を行ったのに、2週間以内に登記をしなかった
・本店移転を行ったのに、変更登記を怠った

② 選任懈怠(せんにんけたい)

会社法では、取締役の任期が満了した際、新たな取締役を選任しなければなりません。
しかし、役員の改選を行わずに放置していると、裁判所から過料が科されることがあります。
(例)
・取締役の任期が満了したのに、新たな取締役を選任しなかった
・監査役を退任させたまま、新たな監査役を選任しなかった

裁判所から突然通知が届く理由

多くの場合、法務局が会社の登記記録を確認し、長期間変更登記がなされていない会社をリストアップします。
その後、法務局が裁判所へ報告し、裁判所が過料の決定を行います。
過料の金額は、懈怠の期間が長いほど高額になる傾向があります。

異議申し立てはできる?どのような場合に認められるのか?

過料決定は、必ずしも正しい判断とは限りません。
裁判所は登記情報だけをもとに判断するため、実際の状況が正しく反映されていない可能性もあります。

異議申し立てが認められるケースとして、以下のような例が考えられます。

① そもそも「懈怠」していない場合
(例)
・役員の任期は満了していたが、株主間の対立があり、総会を開けず改選手続きができなかった
・株主総会を開催しようとしたが、株主の都合で延期せざるを得なかった

このような場合、「懈怠」ではなく、やむを得ない事情があったことを主張すれば、過料の支払いを免れる可能性があります。

② 過料の計算に誤りがある場合
(例)
・裁判所は「役員任期が平成22年に満了」と判断したが、実際には「平成30年まで任期があった」
・変更登記を怠った期間が実際より長く計算されている

このような場合、裁判所の計算ミスを指摘し、異議申し立てを行えば、過料の金額が減額される可能性があります。

(実例)
ある会社では、本来「5年間の懈怠」だったにもかかわらず、裁判所が「10年間の懈怠」と判断。
異議申し立てを行った結果、過料が10万円→4万円に減額されたケースがありました。

ただし、「知らなかった」「うっかり忘れていた」という理由では異議申し立ては認められません。
また、司法書士や行政書士のミスがあったとしても、それを理由に異議申し立てをすることはできません。

異議申し立ての期限は?迅速な対応が必要

過料決定に異議を申し立てる場合、期限があります。
通知を受け取った日から「1週間以内」に異議申し立てを行う必要があるため、迅速に対応しなければなりません。
また、裁判所の判断が正しいかどうかを自分で判断するのは難しいため、過料決定通知が届いたら、すぐに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

手続きのご依頼・ご相談

会社の登記懈怠や役員選任懈怠によって、裁判所から「会社法違反事件」という通知が届くことがあります。
これは刑事罰ではなく、行政罰であるため前科はつきませんが、過料の金額が高額になることもあります。

過料通知が届いたら、まず以下の対応を取りましょう。
・ 過料の理由を確認する(登記懈怠か選任懈怠か)
・ 登記手続きを速やかに進める(今後の過料を防ぐ)
・ 異議申し立ての期限(1週間以内)を確認する
・ 異議申し立ての理由がある場合は、専門家に相談する

登記手続きを適切に行うことで、将来的なトラブルを防ぐことができます。
もし突然「会社法違反事件」の通知が届いた場合は、慌てずに司法書士などに相談をしましょう。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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