登記申請手続(各種)

支配人と支配人を置いた営業所の登記手続きを解説

支配人と支配人を置いた営業所の登記手続きを解説


会社法上の支配人とは

支配人とは、その事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する会社の使用人である。
なお、ここでいう支配人とは、会社が社内規定で決めた役職ではなく、登記簿上にも記載される会社法上の支配人を指す。

会社は、支配人を置いて、本店・支店においての事業を行わせることができる(会社法10条)。
支配人は、特定の営業所においては、包括的代理権を有する。
例えば、支配人は、使用人の選任・解任を自ら行うことができる(商法21条)。その範囲内においては、取締役と同等の権利を有する。したがって、支配人の選任又はその代理権の消滅は、その本店の所在地において登記しなければならない(会社法918条)。支配人の選任及び解任は、取締役の過半数(取締役会設置会社においては取締役会決議)によるものとされている。各取締役に委任することはできない。支配人の終任は、代理権の消滅、雇用関係の終了、又は会社の解散による。

支配人を置いた営業所の移転

支配人は、本店及び支店に置くことができ、「支配人を置いた営業所」として登記される。ゆえに、本店・支店の移転登記をする場合は、それに伴い支配人を置いた営業所の移転も登記しなければならない。

本店移転と支配人を置いた営業所の移転

定款変更を伴う場合は、株主総会の特別決議を要し、「当会社の本店を◯市に置く」という決議を行う。また、取締役の過半数(取締役会設置会社においては取締役会決議)において「年月日をもって当会社の本店を◯市◯町◯番地に移転する」という決議を行う。他の登記所の管轄へ本店移転をする場合は、旧本店所在地にて本店の移転と支配人を置いた営業所の移転の登記申請をし、新本店所在地において、本店移転の登記申請のみを行う。新本店所在地あての登記申請は、旧本店所在地の登記所を経由して行われる。本店移転と支配人を置いた営業所の移転の登記申請は、同時に申請しなければならない。

支店移転と支配人を置いた営業所の移転

支店変更は、定款変更を伴わないので、株主総会の決議は要さない。この場合、取締役の過半数(取締役会設置会社においては取締役会決議)において「年月日をもって当会社の◯市◯町◯番地の支店を◯市◯町◯番地に移転する」という決議を行う。支店移転と支配人を置いた営業所の移転の登記申請は、同時に行わなければならない。

支配人を置いた営業所を登記する場合

支配人を置いた営業所を登記する場合を掲載する。

①本店移転と支配人を置いた営業所の移転
②本店の変更と支配人を置いた営業所の変更
③支店移転と支配人を置いた支店の移転
④支店の変更と支配人を置いた営業所の変更
⑤支店の廃止と支配人を置いた営業所の廃止



支配人を置いた営業所の移転登記の登録免許税は、金3万円となります。
支配人を置いた営業所の移転登記は、本店移転の登記と同時に申請することになりますので、本店移転の登記分(管轄内であれば3万円、管轄外であれば6万円)と支配人を置いた営業所の移転登記分(3万円)の登録免許税の合計額となります。

手続きのご依頼・ご相談

本日は支配人と支配人を置いた営業所の登記手続きを解説しました。
登記手続きに関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

債務整理・商業登記全般・組織再編・ファンド組成などの業務等を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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