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役員解任手続の方法とリスクを解説。解任と登記簿に入ることで生じる不都合とは

役員解任手続の方法とリスクを解説


役員解任の手続

取締役は、株主総会普通決議で解任することが可能です。
従業員を解雇するよりも役員を解任する方が簡単に出来ると思われがちですが、正当な理由もなく解任すると、解任された取締役は会社に損害賠償請求をすることが出来ます。
具体的には任期満了まで、本来得られたはずの役員報酬等を請求することが可能です。

登記簿に解任の事実が掲載される

取締役を解任した場合、登記簿には「●年●月●日解任」と記載されるため、解任事実が明るみに出ますので手続は慎重に検討する必要がございます。

「解任」ではなく「辞任」で収める

役員が会社と揉めて退任するのは、よくある話の1つです。
しかし、おおよその会社は、その役員と話合いを重ねて「辞任」という形をとるのが一般的です。

「解任」と掲載されるのがよくない理由

「解任」は、上述したとおり、正当な理由がない場合には、会社はその役員に損害賠償しなくてはなりません。
「辞任」と「解任」では、生じ得る紛争リスクが大きく異なるのは、お分かりかと思います。
また会社は日々多くの会社や金融機関と取引をします。

取引相手によっては、取引する相手がどんな会社か登記簿謄本を取得して、確認する会社も多数存在します(金融機関であれば当然登記簿は確認されます)。

そこに「解任」という記載があるだけで「この会社は、話し合いの余地がない程の揉め事を役員と起こしている」という印象を与えかねず、取引に不安を感じる企業や金融機関が出てくるのは必須であります。

「解任」と登記簿に載ることで生じる不都合

上述したとおり、取引相手に不安を与えることによる機会損失と金融機関の評価が厳しくなる可能性がございます。
また、今後の紛争リスクを抱えることになりますので、話し合いによって「辞任」とすることが出来ればそれがベストであると言えます。

「解任」せずに「任期満了」に

会社に対して背任的な行為を行った役員は、会社から追い出さなくてはなりません。
しかし「解任」と記載することで不都合が生じますので、「解任」と記載されるのを避けるため、株主総会で当該役員の任期を短くし(10年任期を1年に短縮する等)任期満了退任とさせるケースも存在します。
ただし、就任したばかりの役員等には使用できないのと、こちらも当然ですが正当な理由がないにも関わらず任期を短縮した場合は、紛争リスクが生じます。
取締役としては、10年任期として、会社と委任契約を結んだにも関わらず、1年に短縮されると、約束が違うということになり、紛争に発展する可能性が高くなります。

対策としては役員任期はあらかじめ1年にしておく

オーナー(株主)と役員が異なる場合は、役員の任期はあらかじめ1年としておくと良いでしょう。
役員が続投する場合に、1年毎に役員重任登記を行わなければなりませんが、役員重任手続に係る手間と、10年任期にするリスクを比べると1年任期の方が会社にとっては良いのではないでしょうか。

さいごに

いかがでしたでしょうか。このような揉め事や思わぬところで不都合が生じないためにも、会社がある程度大きくなった段階で、予防法務として専門家を入れて、日頃から細かく見直しを行って対策していくことが重要です。
役員変更に関するご相談等は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

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