補欠取締役を導入すべき会社はどんな会社ですか?
登場人物
N社長(40代・東京都/非上場の建設会社社長)
ご相談の背景
N社長の会社は、役員構成が代表取締役1名・取締役2名の計3名で、すべて創業メンバーが兼任している。ある日、健康上の理由から1名が急遽辞任することになり、取締役の補充に追われたという。
その際、「毎回登記や就任書類のやりとりが大変なので、今後に備えて補欠取締役制度を入れた方がいいのでは?」とご相談があった。
司法書士の判断・アドバイス
・現在の取締役数が3名で「最低員数ぎりぎり」であるため、急な辞任で定款上の員数要件を欠くリスクが高い。
・過去にも選任書類の回収に時間がかかり、登記申請がギリギリになるケースがあったとのこと。
・定時株主総会で補欠取締役を1名選任し、定款に「10年間有効」とする附則を設ければ、毎年の再選任の手間も軽減できる。
・就任の時期や要否は発生時に選べるため、制度としての柔軟性が高い。
結果
補欠取締役制度を導入し、次回の定時株主総会で選任決議を予定。あわせて、定款変更による選任効力の期間延長(10年)も行う方針となった。N社長からは「これで安心感がある」との声をいただいた。
詳細はこちらのコラムでも解説をしています。
(リンク:補欠取締役とは?制度の基本と実務での注意点「欠員が出たときに備える」制度の実務的な使い方を解説)