事業目的にはローマ字を入れることが出来ないといわれましたが、D2CやEC事業を入れたい場合はどう表記すればいいのですか
【相談事例】事業目的にはローマ字を入れることが出来ないといわれましたが、D2CやEC事業を入れたい場合はどう表記すればいいのですか
事業目的変更にはローマ字を入れることが出来ないとありますが、D2CやEC事業を入れたい場合はどう表記すればいいのですか
事業目的に原則ローマ字は入れることが出来ない
事業目的には「明確性」の要件が求められますので、事業目的を外国語で表記することは原則的に認められておりません。
ただし、ローマ字を含む表記方法が一般的であり社会的に広く認知されている特定の語句については次の要件を満たすのであれば、ローマ字を含んだ事業目的を登記に用いても差し支えないとされています。
①社会的に認知されている
②目的の明確性の要請に反しない
②目的の明確性の要請に反しない
認められている事例
「OA機器」、「H型鋼材」、「LPガス」、「LAN工事」、「NPO活動」、「CD‐ROM」などは要件を充たす語句とされています。
認められていない事例
「PC」のように、パーソナルコンピュータを簡潔に表す方法として広く使われてはいるものの、パーソナルコンピュータ以外にも、プレキャストコンクリート、ポリカーボネート等、他の意味にも解され得るものについては、目的の明確性の要請に反するおそれがあるとして、登記は受理されないとされています。
ECやD2Cは認められない
近年流行りの「EC」や「D2C」は、明確性の要件である「ただし、ローマ字を含む表記方法が一般的になっていて、社会的に広く認知されている特定の語句」には該当しないとされています。
また、「EC」については、上記PCの事例のように他の意味にも解される余地があるとして明確性の要件に反するおそれがあるとされていますので登記は受理されません。
事業目的記載例
では、ECやD2Cなどを事業目的の語句にいれたい場合にはどうすれば良いのでしょうか。
例えば、ECを記載したい場合には、次のように記載します。
EC事業(電子商取引事業)
D2Cであれば、次のような形で記載します。
D2C事業(ブランドが、仲介業者や販売店を介さずに、自社の商品をECサイト上で直接消費者に提供するビジネスモデル事業)
このようにカッコ書きでその意味を補足すれば登記は受理されますので参考にしていただければと思います。