代表取締役の任期だけが1年ずれていた会社での混乱
登場人物
・株式会社タスクグロース(東京都)
・法務担当:川崎さん
・代表取締役:田中さん(2024年6月1日新任)
背景と課題
タスクグロース社では、2024年6月1日付で新たに代表取締役の田中さんを任命した。定款には補欠や増員の任期に関する記載がなく、田中さんのみ任期が2025年の定時株主総会ではなく、2026年に満了する扱いとなった。
戸惑いが生じたポイント
・定時株主総会後の取締役会で、田中さんの代表取締役選定議案を用意すべきか判断できなかった
・他の役員はすべて任期満了していたため、「選定忘れでは?」と社内で誤解された
・法務局に登記申請する際も、念のため送付書に「任期満了せず」の説明を添えた
司法書士からのアドバイス
・任期が満了していないので選定不要である旨を取締役会議事録の冒頭に記載すること
・「代表取締役田中氏は引き続き代表権を有する旨を確認した」などの記載で整理
その後の対応
次回の定時株主総会では、定款を改正し「補欠・増員の任期は他の取締役と同一とする」旨を明記
以後、代表取締役の任期ずれによる混乱は回避されるようになった
詳細はこちらのコラムでも解説をしています。
(リンク:代表取締役の任期に関する実務と注意点)