組織再編のスケジュールと公告・催告の取扱い
公告・催告の重要性
組織再編、とりわけ合併のスケジュールを立てる際に最大のポイントは、公告と個別催告の期限管理です。
決算公告を行っていない場合には、合併公告と同時に最終貸借対照表の要旨を公告しなければなりません。
債権者への個別催告では、催告書に決算公告の情報(公告紙、日付、掲載ページ)を記載する必要があり、未公告の場合は貸借対照表の要旨を催告書に記載します。
公告と催告の関係
公告は「掲載日の翌日から1か月間」で足りるのに対し、個別催告は到達主義です。
発送してから相手に届くまでの日数を加えて満了日を決める必要があります。
そのため、公告と催告を同日に行うと、催告の方が満了日が遅くなり、同じ債権者でも異議申述期間が異なってしまいます。
これを避けるため、通常は公告期間を少し長めに設定して催告と満了日を一致させるのが実務の取扱いです。
ただし、公告のタイミングがギリギリの場合は調整できず、催告を先行させて期限を公告と合わせる方法が採られることもあります。
実務での注意点
・公告媒体と掲載日程:官報公告は通常「入稿から中5営業日」、決算公告を併せて同時掲載する場合は「中12営業日」が必要(時期によって増減あり)。
・公告と催告の同時掲載・発送:理論上は可能だが、催告書には貸借対照表が記載されるため、実務上は避けられる傾向がある。
・掲載ページの記載:公告紙やページ番号は、決算公告日の前日に確認して催告書へ記載。忘れると致命的。
本コラムのまとめ
・組織再編のスケジュールでは、公告・催告の満了日をどう揃えるかが最重要。
・公告と催告は別条項で規律されているため、理論上は満了日がズレても登記は受理されるが、実務では同一に揃える運用が望ましいとされている。
・決算公告が未了の場合は、公告と催告に貸借対照表の要旨を必ず掲載する。
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本日は、組織再編のスケジュールと公告・催告の取扱いについて解説いたしました。
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