合同会社の代表社員を辞任するには?代表権のみを辞める手続きと注意点
合同会社特有のルール
合同会社は、シンプルな経営体制や低コストでの設立が可能ですが、その一方で、役員の変更手続きについては、株式会社とは異なるルールがあり、適切な対応が求められます。
特に、「代表社員の地位のみを辞任し、社員としては残る」 というケースはあまり多くなく、手続きの案内がないため、手続きに戸惑う方もいるかもしれません。
本記事では、合同会社の代表社員が代表権のみを辞任する場合の手続きや必要書類、注意点について詳しく解説します。
合同会社の代表社員とは?辞任する際の基本的な考え方
合同会社における「代表社員」とは?
合同会社では、原則としてすべての業務執行社員が代表権を持つ仕組みになっています。ただし、定款で特定の社員を「代表社員」として定めることが可能です。
例えば、合同会社A社がA・B・Cの3名で設立され、定款で「代表社員はAとB」と定められている場合、この2名が会社の代表権を持つことになります。
しかし、ある時Bが「代表権は辞めたいが、社員としては残りたい」と考えた場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか?
代表社員の地位のみを辞任する手続き
① 定款を確認する
まず、定款に代表社員の選任・解任に関する規定があるかを確認します。
・ 代表社員の選任・解任について「社員の互選による」と定められている場合 → 代表社員の辞任は、社員の過半数の同意で成立することが多い。
・ 代表社員を定款で直接定めている場合 → 変更には定款の改定が必要になる可能性がある。
② 代表社員辞任の決議を行う
定款の規定に従い、総社員の過半数の同意を得て代表社員の辞任手続きを進めます。
必要な書類
・代表社員辞任届(辞任する代表社員が作成・署名)
・総社員の同意書(定款で選任ルールが定められている場合)
・定款の写し(定款に基づき選任されたことを証明するため)
③ 法務局へ登記申請を行う
代表社員の辞任登記が必要になります。以下の書類を法務局に提出します。
登記申請に必要な書類
・ 変更登記申請書(法務局に提出する書類)
・ 辞任届(辞任する代表社員が作成)
・ 総社員の同意書(選任・解任が総社員の過半数の同意による場合)
・ 定款の写し(必要に応じて)
登記費用:1件につき1万円(登録免許税)
代表社員の辞任手続きにおける注意点
1.定款に「最初の代表社員」が記載されている場合は要注意
定款の附則で「最初の代表社員」として定められている場合、その記載をどう解釈するかがポイントになります。
→ 法務局によっては、代表社員の選任が「社員の互選によるもの」とみなされ、辞任届と総社員の同意書で登記申請が可能な場合があります。
ただし、法務局によって解釈が異なる場合があるため、事前に法務局へ確認するのがおすすめです。
2.代表社員が1人しかいない場合は要注意
合同会社に代表社員が1人しかいない場合、その唯一の代表社員が辞任すると会社の代表者が不在になるため、必ず新たな代表社員を選任しなければなりません。
代表社員が1人だけの場合 → 辞任と同時に新代表社員を選任する必要がある
代表社員辞任の具体例
ケース①「代表社員A・Bのうち、Bだけが辞任する場合」
代表社員の構成(変更前)
・代表社員A(継続)
・代表社員B(辞任)
・業務執行社員C(そのまま)
代表社員の構成(変更後)
・代表社員A(継続)
・業務執行社員B(代表権を持たない社員として残る)
・業務執行社員C(そのまま)
この場合、Bの辞任届と総社員の同意書を準備し、登記申請を行うことで手続きが完了します。
ケース②「代表社員が1人しかおらず、辞任したい場合」
変更前
代表社員A(辞任予定)
変更後
代表社員B(新たに選任)
この場合、Aさんの辞任届と、新たに代表社員となるBさんの就任届を準備し、登記申請を行う必要があります。
手続きのご依頼・ご相談
合同会社の代表社員が「代表権のみを辞任する」ケースは珍しいため、手続きに戸惑うことが多いですが、以下の流れを押さえておけばスムーズに進められます。
・ 定款を確認し、代表社員の選任・解任ルールを確認する
・ 辞任届を作成し、総社員の同意を得る(必要な場合)
・ 法務局へ登記申請を行う(辞任届・同意書等を添付)
合同会社の代表社員の変更手続きは、ケースによって異なるため、事前に法務局へ確認するのがおすすめです。
手続きに不安がある方は、司法書士に相談するとスムーズに進めることができます。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。