清算結了

清算事務の期間と分配額を解説、資本金の払戻手続きや清算事業年度の起算点について

清算結了登記

会社の清算手続きは、解散後、清算結了までの最終プロセスです。税務申告や登記手続きでトラブルが発生することのないよう適切に進める必要があります。
今回は、清算手続きにおけるよくある疑問である「清算事務の期間」と「1株当たり分配額の記載方法」に焦点を当てて解説します。

1. 清算事業年度の開始日について

清算手続きにおいては、清算事務の開始日を明確にし、事業年度や清算確定申告書と整合性を保つことが必要です。
例えば、令和7年4月6日に会社が解散した場合、清算事業年度は令和7年4月7日(翌日)から開始するのが通常です。

理由:解散日(令和7年4月6日)はまだ事業年度内
解散日(令和7年4月6日)は、会社の最終的な「事業年度の終了日」として扱われます。
この日をもって会社が解散し、通常の事業年度が終了します。したがって、清算事業年度の開始日はその翌日(令和7年4月7日)からとなります。

税務上の取り扱い
税務申告では、解散事業年度(解散日を含む最後の通常事業年度)と清算事業年度が明確に区分されます。
解散事業年度は解散日までを対象とし、清算事業年度はその翌日から開始する形で処理します。

具体例
解散日:令和7年1月1日
解散事業年度:令和6年1月1日から令和7年1月1日まで
清算事業年度:令和7年1月2日から(清算期間終了日まで)

注意点
登記上の解散日
法務局に登記される「解散日」は令和7年1月1日となりますが、税務上の清算事業年度の開始日は令和7年1月2日からとなります。

税務申告の整合性
清算事業年度の開始日が解散日の翌日からになっているかどうかを、税理士や専門家に確認しながら進めるのがおすすめです。
解散日に続く清算事業年度は、解散日の翌日から開始するのが原則です。この区分は、税務申告や登記手続きにおいて重要なポイントとなります。

2. 資本金払戻とみなし配当の扱い(1株当たりの分配額)

清算時の財産分配について、1株当たりの分配額をどのように計算・記載するかは、法律的にも税務的にも重要なポイントです。
清算事務報告書に記載する分配額の記載に「資本金払戻を含めた額」を記載すべきか、それとも「みなし配当額」のみを記載すべきでしょうか?
答えは、清算会社の決算報告書では、資本金払戻金を含めた分配額を記載するのが一般的です。

資本金の払戻が分配額に含まれるかについては、残余財産には資本金の払い戻しも含まれますので
「みなし配当」に加え、資本金の払戻額も分配額に含める必要があります。
ただし、税務申告の際には「資本金払戻部分」と「みなし配当部分」を分けて計上する必要があります。したがって、分配額に資本金払戻金を含めて記載しつつ、税務処理で正確に区分することが重要です。

みなし配当と資本金払戻の違い

みなし配当:会社の利益剰余金を原資とした分配部分で、株主にとって課税対象となります。
資本金払戻:出資金の返還部分で、通常株主に課税されません。
例: 資本金1,00,000円の会社においてこれを株式数で割った金額が該当。

手続きのポイント

文書の一貫性を確認しましょう。
清算確定申告書、決算報告書、株主総会議事録などの文書を一貫した内容で作成することで、不整合を防ぐことが可能です。
また税務については、税理士の先生(専門家)に確認の上、進めましょう。

手続きのご依頼・ご相談

本日は清算事務の期間と分配額を解説しました。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

ご相談・ご依頼はこちら
お問い合わせ LINE

ご相談・お問い合わせはこちらから