司法書士は、不動産や商業登記、相続などの手続きを行う仕事をします。
国家資格が必要なので、雇用動向調査結果(厚生労働省)を参照してみてもセカンドキャリアや転職でスキルアップのために資格を取る方も多い傾向が強めです。
しかし司法書士の仕事を調べると、ネットでは仕事がないと書かれていることもあり、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。現在、AIが作られた事や人口減少によって、司法書士の仕事が減りつつあるとされていますが、実際は逆で仕事の幅が広がり生涯現役で働ける仕事です。
本記事では、本当に司法書士は仕事がないのか、なぜ仕事が減ると言われているのか解説をします。今後、長く司法書士の業務に携わるためにも将来性なども解説しますので、資格を取り司法書士として働きたいと考えている方は参考にしてください。
司法書士は本当に仕事がない?やめとけと言われる理由
司法書士をネットで検索すると、仕事がないややめとけと書かれていることがあります。なぜ、仕事がないと言われているのか疑問に思う方も多いはず。
難関と言われている資格をとっても、仕事がなければ収入に繋がらないので、理由を把握し仕事を無くさないための対策を練りましょう。仕事がないと言われる、具体的な理由を紹介しますので、参考にしてください。
司法書士の業務である登記件数が減少し続けているから
司法書士の仕事に登記手続きがありますが、日本の人口が減少している事から、不動産を購入する人も減り登記業務も減るのではと考えられています。さらに、登記は司法書士に頼まなくても自分でできる事から、依頼が減っていると考えられる理由のひとつです。
しかし、司法書士の仕事は登記だけではないので、業務自体が減ることはありません。登記以外でも、相続や成年後見人、不在者財産管理人など、多くの仕事があります。
相続や成年後見人に関しては、高齢化社会なので仕事が増えるという見解もあるので、司法書士の仕事がなくなるのは考えにくいです。もし、一部の仕事が無くなったとしても、他の業務で補えますし法務大臣の認定を受ければ、簡易裁判所の訴訟代理人などの仕事もできるようになります。
長く司法書士を続けるためにも、資格を取った後もスキルを磨き続けて仕事を増やしていくと良いでしょう。
AIが普及していきたので司法書士の仕事がなくなるという懸念があるから
近年、chatGPTなどAIが多く企業で生成されているので、AIによって司法書士の仕事がなくなるという懸念を抱く人もいます。しかし、AIは機械的な学習しかできないので、クライアントに寄り添った相談やアドバイスが難しいです。
司法書士は法律の知識を活かして、クライアントの要望を聞きながら手続きのサポートをする場合もあるので、AIでは補えない部分も多いでしょう。司法書士の仕事を完全に取られるということはないので、人間にしかできない仕事を中心に取り組むと、今後も仕事がなくならず司法書士を続けられます。
書類の作成など事務的な作業はAIに任せ、クライアントと関係を築きながら進める業務は人間がするなど、AIと共存できるとさらに希少性が増すでしょう。むしろ、AIを上手く使いこなすことによって、集中すべき仕事に時間を割けられるようになります。
世間の言葉は鵜呑みにせず、今後どのように自分が仕事をすべきか正確に判断しましょう。
司法書士の資格を取得して満足し自分で営業活動をしないから
司法書士の試験は、難関と言われるほど合格率が低く、資格保有者も少ないのが現状です。資格を習得するまでも時間がかかるので、合格して満足する方が一定数います。
資格を取得後は、司法書士の仕事が来るのを待つのではなく、自分から実務経験を積む必要があるでしょう。転職をしたり、現職で法律の知識が活かせる部署に移動するなど、自分で動かなければ仕事はきません。
資格を取得して満足せず、キャリアプランを考え行動しましょう。司法書士の実務経験を積むには、事務所に転職するか企業法務に就き、業務を実際に行います。
現在、企業に属する司法書士も増えているので、自分のライフスタイルと合う職場を探してください。事務所であれば、他の士業の方と一緒に業務を行えるので、キャリアの参考になるでしょう。
また、営業活動も重要です。資格を保有している方は、クライアントには見えないので、自分から積極的に司法書士の仕事ができることをアピールします。
営業をすることで、人脈も広がり仕事がなくなるという事も防げます。
収入が低く司法書士を辞める人がいるので将来性がないと思われている
司法書士で独立した際、報酬額がとても重要になります。まだキャリアが浅いからと、低めに設定してしまうと、生活が厳しくなり司法書士を辞める原因になります。
まずは、司法書士の仕事内容や報酬額を調べ、低く見積もらないようにしましょう。独立後の収入が心配な方は、まず事務所などに在籍しキャリアを積んでから独立してください。
司法書士の資格を取り、すぐに独立する方もいますが、収入が安定するまで時間がかかってしまいます。 経済的な負担を減らすためにも、司法書士としての実力をつけてから独立した方が成功しやすいです。
時間はかかってしまいますが、仕事がないと廃業するよりもリスクを減らせます。段階的にステップアップできるように、目標を決めておくのもおすすめ。
独立までの期限を設定し、何年間事務所などで経験を積むかを逆算します。目標を立てることによって、実力不足を防げ独立したいという夢も叶えられます。
司法書士の仕事とは?業務内容やキャリアを積む方法を紹介
司法書士の業務を理解するために、仕事内容やキャリアを積む方法を紹介します。具体的な業務内容やキャリアプランを知ることで、司法書士として仕事をする際の指標になります。
なんとなくでは、仕事が続かず挫折の原因にもなるので、どのような仕事をするのか覚えておきましょう。キャリアを積む方法も知っておくことで、失敗なく進むことができます。
司法書士は不動産や商業登記に関する書類作成や申請代理をする
上記でも紹介しましたが、司法書士の基本的な仕事内容は、不動産や商業登記に関する書類作成を行います。クライアントによっては、申請手続きの代理を頼まれる場合もあるので、手続きの業務も仕事に含まれます。
冬季に関しては、簡易的になってきてはいますが、複雑な部分もあるため代理人として任されることが多いです。
司法書士の資格勉強でも知識はついていますが、書類や手続きは改正される場合があるので、常に情報収集をしておきましょう。
また、企業に在籍して法的な業務をする場合もあります。企業法務と呼ばれ、司法書士の資格を持っている方に向いている職業。
企業法務では、契約書の作成や企業のさまざまな規則の設定、経営者などの法律相談を行います。事務所では経験できない、法律関係の業務にも携われます。
法務の仕事と似ていますが、司法書士も法律の専門家として仕事ができるので、覚えておきましょう。
司法書士は簡易裁判所で行われる民事訴訟の代理業務をする
法務大臣の認知を受けた司法書士は、民事訴訟の代理業務をする場合もあります。法務大臣に資格認定をされるには、裁判所事務官や裁判所書記官など、法律の事務経験があると認定してもらえます。
民事訴訟は、個人同士のトラブルを法律で解決するものです。裁判所での勤務経験がある方や、弁護士事務所などで事務を経験したことがある方は、法務大臣に認定してもらうと仕事の幅が広がるでしょう。
司法書士として、キャリアアップやスキルを磨きたい方は、まず法律事務所などに就職し訴訟の代理ができるように経験を積んでください。
また、認定司法書士になるには以下の要件が必要になります。
- 日本司法書士会連合会が行う研修を修了した者
- 認定監査をし法務大臣が訴訟代理関係の業務を行う十分な能力があると認められた者
- 司法書士会の会員である者
上記の3つを満たすことで、認定司法書士になれます。司法書士会は、全国各地で入会できる場所があるので、自分が住んでいる地域の司法書士会を探してみましょう。
成年後見人や相続の手続きをクライアントに代わって行う
司法書士は、成年後見や相続に関するさまざまな手続きを、クライアントに代わって行います。成年後見人の業務では、財産管理が難しいクライアントのために、代わりに財産を管理しクライアントのために使用します。
介護施設への支払いや保険などを代行して行うので、クライアントとコミュニケーションを取りながら進めましょう。成年後見人になっている間は、クライアントが相談なしに決めてしまった契約を取り消すことも可能。
成年後見人になる際には、家庭裁判所からの任命が必要です。相続に関しては、相続人の調査や相続方法の選択などをクライアントと決めていきます。
不動産を所持していた場合は、登記を行うこともあります。また、被相続人の遺言書作成のサポートをする仕事もあります。
遺言書には、種類があり書き方も異なるため、間違えてしまうと家族がトラブルになる可能性があります。司法書士はトラブルを防ぐためにも、クライアントと共に正しい方法で遺言書を書きサポートすることも可能でしょう。
司法書士資格を取得後は新人研修や企業に就職して業務を行う
司法書士として、仕事を長く続けるためにも資格を取った後の行動が重要です。資格を取得後は、日本司法書士連合会が行う新人研修を受けましょう。
新人研修には、種類があり研修の形式が異なります。
- 中央新人研修
- ブロック新人研修
- 司法書士会研修
中央新人研修とブロック新人研修はオンラインで開催され、時期は受ける地域によって異なります。自分がどの期間に該当しているのか、司法書士会のホームページなどで確認してみましょう。
司法書士会研修は、各地域の司法書士会が行う研修です。司法書士事務所で、実際に働き現場の業務を行いながら学びます。司法書士会研修も、地域や司法書士会によって日程が異なるので、研修を受ける方はチェックしてみましょう。
研修を受けた後は、企業や事務所に所属し実務経験を積んでください。いきなり独立してしまうと、経験が浅いなか業務をこなさなければいけないので、負担が大きくなります。
まずは、同じ司法書士として働いている方の元で経験を積み、実力を付けていきましょう。経験が豊富であれば、司法書士として今後も長く活躍できるようになります。
司法書士の平均年収は?収入から将来性を独自に推測
次に、司法書士の平均年収や将来性について解説をします。司法書士は、一部で仕事がないと言われていますが、法律はなくなるものではありません。
生涯現役で働ける職種でもあるので、セカンドキャリアとして考える方も多い職種です。資格を取った後に、自分が思い描くキャリアを歩めるよう、将来性をしっかり理解し仕事をしましょう。
司法書士の平均年収は約970万円!行政書士など他の士業とどちらが年収が高いのか比較
厚生労働省のデータを見ると、司法書士の平均年収は約970万円です。日本の平均年収よりも遥かに高く、月収も約30万と高め。
司法書士は年齢に関係なく就業できるので、現役で働いている方の中には、50代や60代が多い職種でもあります。年収は年齢が上がるほど高くなっていて、一番高い年齢が50歳から54歳となっています。
同じ士業系の職業である、社労士や行政書士の年収もまとめると、以下の通りです。
表をみると、弁護士と司法書士が同じくらいの年収になっています。どちらも法律を専門とする仕事なので、年収も高く年齢も関係ないということから、将来性がある職業といえるでしょう。
他の職種であれば定年がありますが、司法書士や弁護士などは、仕事を続けたいと思っているなら長く務めることが可能です。人のサポートをする仕事でもあるので、生涯やり甲斐を感じながら仕事ができるでしょう。
専門分野を持つ副業の開業や人脈の評価を上げると、年収アップにつながるので、実務経験を積み、キャリアアップを目指してください。
司法書士はAIではできない業務が多いので将来性がある仕事だと言える
現代はAIが普及し始めているので、一部の仕事がなくなると言われていますが、司法書士の仕事はAIによって奪われません。クライアントの細かい要望を聞いたり、法律の知識を活かしながら柔軟に依頼をこなします。
事務作業もありますが、人間が対応しなければいけない業務が多いので、将来も安心して仕事を続けられるでしょう。司法書士の仕事である、成年後見人や相続関連の手続きは、クライアントと相談しながら決めるので、AIにはできない仕事です。
さらに、司法書士の仕事ができる人材は、不足しているので今後も仕事がなくなることはないでしょう。労働人口自体が減っているので、法律を理解し人をサポートできる人材は希少です。
AIでも補うことができない業務なので、将来性を心配することなく、キャリアを積めるでしょう。デジタル化は進んでも一部なので、これから司法書士を目指す方は、心配せず資格を取得することに集中してください。
司法書士は士業の中でも希少性が高く資格を保有している人が少ないため仕事がなくならない
司法書士試験は、毎年合格率が4%から5%と低く、試験勉強の時間も長いので諦めてしまう方も多いです。しかし資格を取得できれば、法律の専門家としてアピールになるので、他の職業よりも差別化できます。
差別化できることによって、自分にしかできない仕事が入ってくるので、将来性も気にせず長く働けるでしょう。司法書士になるだけでも難関だと言われているので、資格を保有していることを上手く利用しアピールし続けるのが、仕事を長く続けるポイント。
また、司法書士の仕事は登記が中心でしたが、今では業務の多様化が進んでいるので、簡易裁判の訴訟を代理でできたり、企業のコンサルティングをする場合もあります。訴訟の代理は、法務大臣から認定されるとできるようになるので、必要な要件を満たし申請してみると良いでしょう。
企業のコンサルティングは、会社設計や組織再編、事業継承など法律に関わる分野で依頼がくる場合があります。事務所や企業法務だけにとらわれず、さまざまな業務に対応できるようにしておくと仕事が無くならず将来も安心です。
日本は高齢化社会なので司法書士の業務需要が増える可能性がある
現在の日本は高齢化が進んでいるので、司法書士の業務である相続や成年後見人の依頼が、増える可能性が高いです。成年後見人になれるのは、弁護士や社会福祉士も含まれますが、司法書士が圧倒的に多いです。
依頼の内容としては、不動産を所持している方が司法書士に依頼し、債権などの悩みがある方は弁護士に依頼しています。不動産も成年後見人も、法律同様なくなる事はないので、司法書士の仕事も自ずと長く続けることができます。
高齢化社会が進めば、複数のクライアントと並行して契約し仕事をすることになります。収入も安定し、クライアントによっては他の依頼者も紹介してくれるでしょう。
法律の問題は、個人では解決しにくいので、司法書士のような専門家は重宝されます。社会情勢から見ても、司法書士は需要がある仕事だといえるでしょう。
仕事を途切れさせないためにも、勉強を怠らず、新しい法律にも対応できるようにしておくと安心です。
司法書士の仕事がなくならないようにし長く業務に携わる為の方法
司法書士として長く働くために、仕事を無くさないようにする方法を紹介します。今後は、高齢化社会ということもあり、司法書士の仕事が増える可能性があります。
しかし、自分から仕事を取っていかないと、仕事がなくなる場合もあるので注意が必要です。司法書士として、長くキャリアを積みたいと考えている方は、以下で紹介する方法を実践し、仕事が途絶えないようにしましょう。
司法書士としてできる業務を増やしていきクライアントをサポートする
司法書士の仕事は、不動産や商業登記だけではありません。簡易裁判所の訴訟代理や、相続関連の手続きなど多くの業務に携われます。
仕事を無くさないためにも、司法書士として出来ることを増やしさまざまな依頼を受けるようにしましょう。クライアントの悩みもひとりひとり違うので、知識を増やし柔軟に対応できると依頼も途切れずもらえます。
クライアントとのやり取りも、仕事を長く続けるための重要なポイント。依頼の内容を丁寧にヒアリングし、法律の知識を活かして相談に答えます。
仕事が丁寧だと、次も依頼したいと思ってもらえるので、リピーターを増やせるでしょう。1人のクライアントから、依頼主を紹介される可能性もあるので、仕事は手を抜かず常にクライアントに寄り添うよう心がけてください。
口コミで評価が広まる場合もあるので、経験を積みながら顧客を増やせるでしょう。
営業力を高めて司法書士の仕事を取り続けられるようにする
司法書士の仕事を長く続けるコツとして、営業力を高める方法があります。営業力があると、潜在顧客にアプローチでき仕事を取ることが可能です。
企業にも仕事の依頼をされる可能性もあるので、仕事が無くならず独立しても収入が安定するでしょう。営業力と一緒につけておきたいのが、マーケティング力です。
士業の仕事では関係ないように思えますが、マーケティング力をつけることで集客でき、依頼をしたいクライアントを集められます。ホームページやSNSを使用し、集客できるようになると、自分は司法書士の仕事に集中でき営業活動をする手間を省けます。
現在は、ネットを利用する方が多いので集客しやすい媒体でしょう。司法書士の業務と営業を両立するには、依頼が多いと大変になるのでネットを活用するのがおすすめ。
営業で仕事の依頼を取るのが難しい場合は、マーケティング力をつけることを検討してみてください。
司法書士の他に行政書士などの資格を取り差別化をして仕事を取る
司法書士の資格だけでも、仕事を取ることが可能ですが、仕事の幅を広げるには他の士業の資格を取るのがおすすめです。行政書士や社労士など、法律関係の資格を2つ持っておくことで、幅広くクライアントの要望に答えることができます。
例えば、司法書士と行政書士の資格を持っていれば、会社を設立したいと考えているクライアントの要望を1人で請け負うことが可能です。会社を作るために必要な、定款の書類は行政書士の知識を活かし、登記に関しては司法書士の知識が役立ちます。
どちらか一方の資格であれば、資格保有者の方と一緒に仕事をすることになるので、その分報酬も減るでしょう。その点、1人で全ての業務ができれば、クライアントの依頼を全て引き受けることができるので、クライアントからも重宝されます。
行政書士の仕事の依頼もくるので、仕事がなくなることがありません。司法書士の資格を持っている方は、行政書士の資格を取る方も多いので、業務の幅を広げたい場合は資格の取得も検討してみましょう。
司法書士の業務の中でもひとつの仕事に専門性を持ち差別化する
司法書士の業務は多様化していますが、他の司法書士と差別化するなら、ひとつの仕事に特化して専門性を磨くのもおすすめです。例えば、相続の手続きに詳しい司法書士であれば、相続の依頼を中心に受けます。
他の司法書士よりも、相続に関する経験を積んでおくと、あらゆる依頼に柔軟に対応でき、結果として依頼が多くきます。多くの仕事を満遍なくこなすのもいいですが、得意分野をひとつ見つけておくことで顧客を増やせ口コミも広がるでしょう。
まずは、専門性を身につけるためにも司法書士の仕事を多くこなす必要があります。さまざまな業務経験をすることで、自分の得意分野や知識を深めたい分野が出てくるので、焦らず見極めましょう。
司法書士は、年々人数が増えています。独立する方も多いので、依頼を勝ち取るためにも、専門知識を強化し仕事を長く続けられる工夫をしてください。
司法書士として独立し年収を確実にあげていくキャリアプラン
司法書士で独立を目指す方は、資格取得後にどのようなキャリアを積むのか明確にしておきましょう。キャリアプランを決めておくことで、実務経験を何年積んで独立するのか、目標を定めることができます。
確実に独立するためにも、計画的に司法書士としてスキルアップをするスケジュールを立ててください。以下では、具体的なキャリアプランを紹介します。
司法書士の試験に合格した後は新人研修を受け仕事内容を早めに覚える
司法書士の資格に合格したら新人研修を受け、司法書士の業務を早めに覚えられるようにしましょう。独立に失敗する方の特徴として、経験が浅いことが挙げられます。
まずは実務経験を積むためにも、仕事内容を早めに覚え業務に活かせるようにしなければいけません。新人研修は、オンラインで受けることも可能ですが、早くスキルを身につけるためにも司法書士会の研修を受けるのがおすすめ。
司法書士会の研修は、事務所で実際に働きながら実務を学ぶことができます。早く独立を叶えたいと考えている方は、資格を取ってすぐに実務ができる司法書士研修を受けましょう。
司法書士会の研修は、地域によって日程が異なるので確認してみてください。また、実務経験を積むことが難しいのであれば、他の新人研修を受けても良いでしょう。
オンラインでも、司法書士の業務の進め方などを学べるので、今後のキャリアに活かせます。研修中は疑問も出てくるので、講師に質問をしながら知識を付けていってください。
事務所や企業の司法書士として就職し現場で実務経験を積む
研修を終えたら、次は事務所や企業に就職し、数年ほど実務経験を積みます。研修を終えて独立を考える方もいますが、経験が浅いと仕事が取れなくなる可能性があるので注意が必要です。
まずは司法書士事務所や企業で働き、先輩などにサポートしてもらいながら確実にステップアップしましょう。法律は、司法書士になった後も変わる可能性があります。
改正された法律にどう対処するのか、クライアントにはどう説明するのかを、実際に学べると今後もキャリアにも活かせます。生涯できる仕事ですが、変化に柔軟な対応をしなければいけません。
経験が浅いまま、知識不足で仕事をしてしまえば、クライアントからの信頼を失ってしまうので、独立は企業に属してから考えましょう。事務所や企業に所属すると、人脈も作ることができます。
独立後は、人脈を使って仕事を取ることもできるので、人脈は今後もキャリアに重要です。事務所であれば、他の士業関係の方とも知り合いになれるチャンスがあるので、積極的に名刺交換をし人脈を広げましょう。
他の士業の働き方を見ることもできるので、チームを組んでクライアントの依頼を受けることも可能です。さまざまな仕事の仕方ができるので、積極的に人と関わりを持ち仕事に活かしてください。
司法書士として経験を積んだら開業資金を用意し独立する
経験や人脈を広げられたら、独立をする準備をします。独立する際に事務所を作るのであれば、家賃などを支払うので開業資金を用意しなければいけません。
備品も揃えることになるので、独立を考え始めたら資金を貯めておきましょう。資金を用意できたら、開業をします。
法人かフリーランスか迷う方もいますが、まずはフリーランスとして司法書士の仕事をし、仕事が軌道に乗ったら法人化という流れだとリスクも少なく安心です。フリーランスで司法書士をしている方も多いので、まずは仕事が安定して取れるようになることを目指してください。
収入が上がった後でも法人化は可能なので、焦らず実績を積みましょう。独立した後に、仕事を安定させるなら、営業活動が重要です。
企業で法務を募集している場合もあるので、求人を見つけたら応募してみても良いでしょう。個人の依頼であれば、友人や知人から仕事をもらうようにします。
最初は小規模な仕事ですが、徐々に仕事量が増え大きく稼ぐことも可能。独立後、すぐに収入が安定するとは限らないので、独立前に数年分の生活費を用意しておくと安心です。
【FAQ】司法書士仕事内容や将来性についてのよくある質問
最後に、司法書士の仕事内容や将来性について、よくある質問をまとめました。質問では、廃業しないための方法や将来性、今後の求められる業務内容などを具体的に解説しています。
司法書士は、仕事がないと言われますが、実際は企業や個人から求められることも多い職業です。クライアントの悩みを解消し活躍するためにも、疑問を解消して自分が望むキャリアを積みましょう。
司法書士は未経験でも独立できる?廃業しないための方法を知りたい
司法書士は、未経験でも独立は可能です。しかし法律関係の業務をしたことがない方であれば、知識や経験不足で仕事を取ることが難しくなる可能性もあります。
独立後も長く仕事を続けるなら、資格を取得後は数年ほど企業や事務所などで経験を積みましょう。法律関係の仕事が、どのように進めているのかを実際に学ぶことができます。
先輩の司法書士の方に、アドバイスをもらうことも可能なので、スキルアップにつながるでしょう。独立は焦らず何歳からでもできるので、まずはスキルを磨いてから起業してください。
また、独立後も司法書士として活躍するなら、コミュニケーション能力や営業力を磨いておくと安心です。司法書士の仕事は、クライアントの悩みを法律の知識を使って、サポートします。
コミュニケーション能力があると、クライアントから信頼され業務もスムーズに進みます。営業力は、フリーランスとして働くなら必須のスキルです。
自分がどのような業務が可能か、クライアントにどのようなメリットがあるのかを適切に伝えなければ仕事は取れません。仕事を途切れさせないためにも、日頃から人脈を作り自己アピールをしていきましょう。
司法書士の年収は?キャリアアップのために資格を取ろうか迷っている
司法書士の年収は、厚生労働省のデータを見ると、平均で約970万といわれています。月収も30万と士業の中でも高いので、現職からのキャリアアップになります。
年齢では50代で年収が最高値になる方が多く、他の職業よりも年齢が高くても活躍できる職業といえます。転職で年齢が気になる方や、法律関係でさらにスキルアップを目指したい方は、司法書士はおすすめの資格です。
合格率は4%から5%と低めですが、社会人でも資格を取得できている方もいるので、働きながらでも十分目指せるでしょう。また司法書士の仕事は今後もなくなることはありません。
法律はなくなることはないので、司法書士のような法律の専門家は、今後ますます活躍できる場が増えます。労働人口も減っているので専門知識を持っている方は、仕事の依頼がきやすくなります。
希少性が高い職業なので、年収も高く将来性がある職業でしょう。
司法書士は将来仕事がなくなる?デジタル化で将来性が心配
現代社会では、AIが普及してきたことによって、一部の仕事がなくなるという懸念が広がっています。しかし、AIはまだ発展途上なので、人間のようにクライアントの細やかな要望に答えることができません。
AIにはできない、クライアントとの関係を人間は築くことができるので、全ての業務がなくなることはないでしょう。AIは便利なツールなので、上手く活用すると時代の流れに添いながら、司法書士の業務を遂行できます。
例えば、人間がしなくてもいいような事務的な作業や、定型文の書類作成はAIに任せることができます。AIが作成している間、司法書士はクライアントの悩みやトラブルの詳細を聞き、サポートに徹することができます。
デジタル化が進んでいても、人間にしかできない業務がたくさんあるので、司法書士の将来性も気にせず安心してよいでしょう。
司法書士の仕事の魅力は?今後どのような仕事が求められるのか
司法書士の仕事は、法律関係の業務がほとんどですが、依頼をこなす数は自分で調節が可能です。企業や事務所だと、自分でスケジュールを組むのは難しい場合もありますが、独立すると自分の裁量で仕事量を決められます。
また、手続きの代理やトラブルに関する法律的なサポートなど、人に感謝される仕事が多いのが魅力。クライアントの人生を左右する大きな仕事でもあるので、やり甲斐もあり生涯現役で仕事をする方もいます。
仕事量を調節できますが、報酬は仕事をしただけもらえるのも、司法書士の魅力でしょう。年齢関係なく活躍できる職業なので、将来の不安がありません。
女性は、ライフステージの変化で退職をする方も多いですが、資格を持っておけば育児が落ち着いた後に復帰することも可能。育児との両立もしやすく、実際に司法書士の仕事をしている女性も少なくありません。
このように、司法書士は年齢も性別も関係なく、人をサポートできる仕事を長く続けられるので、やり甲斐がある魅力的な仕事といえます。