【本記事では、2023年10月4日(水)に発表された社会保険労務士試験(通称:社労士試験)の結果を踏まえて、試験・合格率データを分析しています!】
社労士は、国家資格の中でも難関とされており、合格率が5%程度です。
昨年度(令和5年度)分のデータから、直近10年分など古い過去データまで幅広く合格率データを活用したうえで、令和6年の合格率について徹底考察しました。
(「社労士向けの通信講座」を活用することで、社労士試験合格率が27%を超える…という驚異のデータも発覚しています)
【2024年の最新情報】令和5年度の社労士試験に関する合格率データ
当サイト独自で、令和6年度社労士試験の合格者数と合格率を予想しました。
- 合格者数:2,443人
- 合格率:6.3135%
参考としたのは、2023年8月27日(日)に実施された「令和5年度社労士試験の結果」に関する、厚生労働省のデータです。
- 受験者数:53,292人(前年比2.0%増)
- 合格者数:2,720人
- 合格率:6.4%
- 合格基準点 :選択式試験26点以上 / 択一式試験45点以上
- 最年長合格者 76歳
- 最年少合格者 21歳
参考:厚生労働省「第 55 回社会保険労務士試験の合格者発表」
厚生労働省「第55回(令和5年度)社会保険労務士試験の合格基準について」
合格率はわずか6.4%であり、容易に合格できない国家試験です。試験範囲が幅広く、全科目において1発で合格ラインを超える必要がある点が、難易度を上げています。
また社労士試験は相対評価のため、受験者のレベルによって合格ラインが変動します。レベルが高い年には入念に準備しても不合格になるかもしれません。
ただし21歳の若さで合格している人もおり、所定単位を取得していれば、現役大学生も3年生以降に合格を目指すことが可能です。
最年長合格者は76歳のため、何歳からでもチャレンジする価値があります。
実際に、40代や50代で社労士試験を受験している方が増えていて、社労士で活躍している方の年齢も高め。
幅広い年齢の方が活躍できる職業なので、将来性があり、セカンドキャリアとしてもおすすめの資格といえます。
【2024年の結論】社労士試験の過去合格率を調査した結果
社労士試験の合格率のデータから、試験傾向や合格するための戦略などを分析しました。
表を使用し、合格率を比較できるようにしたので、社労士試験を受験する方は参考にしてください。
また、合格率を上げるために、通信講座のメリットも紹介します。
社労士試験に向けて、独学か通信講座か迷っている方の参考になるので、合格率などのデータを見て検討しましょう。
社労士試験の直近10年分の合格率データ(小数点第二位以下切り上げ)
年度 | 合格率 | 受験者数(人) | 合格者数(人) |
令和5年度 | 6.4% | 42,741 | 2720 |
令和4年度 | 5.3% | 40,633 | 2,134 |
令和3年度 | 7.9% | 37,306 | 2,937 |
令和2年度 | 6.4% | 34,845 | 2,237 |
令和元年度 | 6.6% | 38,428 | 2,525 |
平成30年度 | 6.3% | 38,427 | 2,413 |
平成29年度 | 6.8% | 38,685 | 2,613 |
平成28年度 | 4.4% | 39,972 | 1,770 |
平成27年度 | 2.6% | 40,712 | 1,051 |
平成26年度 | 9.3% | 44,546 | 4,156 |
平成25年度 | 5.4% | 49,292 | 2,666 |
【近年の合格率の推移傾向について】
過去、10年間の社労士試験における合格率データを見ると、5~7%で推移しています。
相対評価のため例年合格率が変動しやすく、令和4年度の合格率は前年度より約33%下がりました。
多くの受験者を驚かせたのが、平成27年度の合格率でわずか2.6%でした。
各予備校の予想を大きく下回り、資格スクールおよび受験生を驚かせた数値です。
合格率が大きく下がった原因は、正確に解明されていませんが、学習経験者が解きやすい問題が少なかったことが原因という説があります。
社労士試験は難関試験だからこそ、何度も受験を試み、年々知識を増やしてようやく合格する学習経験者も多くいるのが特徴。
初めて受験する方よりも、再受験者の方が知識量が深い分、両者の点数に差が生じるはずです。
しかし平成27年度の試験は、学習経験者に有利な問題の数が少なかったとされています。
初学者と学習経験者の点数に差が生じず、得点率が低下。
一方、中堅レベルの実力者が解きやすい問題が多かったため、中堅層の得点によって平均点は下がりませんでした。
平均点は、例年通りだったため合格ラインが下がらなかったものの、全体の得点率が下がった結果、不合格者が多く出てしまったのです。
あくまで一説ではありますが、このような事例は特殊なため、今後は合格率が大きく落ち込む可能性は低いとされています。
合格率は高くても、一桁の難関試験である事実は変わらないため、合格に向けて戦略を立てなければなりません。
通信講座であれば、合格に直結する知識をピンポイントで習得でき、スケジュール管理もしやすいのが特徴です。
実際に、通信講座を利用していることで、合格率は通常の約5倍になっているデータも出ています。
当サイトでも調査して、合格率が27%を超えるような、社労士試験に強い通信講座を掲載しています。
通信講座を利用することで社労士試験の「合格率が上がる」ってホント?
社労士試験対策で人気の通信講座が、公表している合格率のデータを元に分析すると、全国平均よりも高いことが分かりました。
社労士試験は、合格率が1桁と難関といわれる資格ですが、通信講座を利用することで、効率よく合格を目指すことが可能です。
あくまで、当サイトの予測ですが、公表されたデータを元に合格率を算出しました。
通信講座選びの参考にもなるので、確認してみてください。
~フォーサイトを利用した場合の合格率~
※各年の合格率に令和4年度におけるフォーサイトの合格率(22.4%)をかけ合わせたため、正確な数値ではなく、あくまで目安です。
【直近4年間の合格率データ】
全国平均合格率 | フォーサイトを使った場合の合格率 | |
令和4年度 | 5.3% | 22.4% |
令和3年度 | 7.9% | 33.4% |
令和2年度 | 6.4% | 27.1% |
令和元年度 | 6.6% | 27.9% |
~アガルートを利用した場合の合格率~
※各年の合格率に令和4年度におけるアガルートの合格率(27.4%)をかけ合わせたため、正確な数値ではなく、あくまで目安です。
【直近4年間の合格率データ】
全国平均合格率 | アガルートを使った場合の合格率 | |
令和4年度 | 5.3% | 27.4% |
令和3年度 | 7.9% | 40.8% |
令和2年度 | 6.4% | 33.0% |
令和元年度 | 6.6% | 34.1% |
念のため補足ですが、合格を保証するものではございませんのでご注意ください。
ちなみに、実際に上記2サービスは、当サイトで調査を実施した社労士通信講座ランキングでも、上位を獲得しています。
数値から分かる通り、社労士試験の合格を目指すうえで、通信講座の活用は近道になる可能性があるでしょう。
社労士試験の合格率を年齢別で分析
偏りをできるだけ排除するために、令和元~5年度試験のデータを幅広く参照して、合格者の年齢別合格率を分析しました。
【直近5年間 年代別データ平均値】(小数点第二位以下切り上げ)
年代 | おおよその合格者数(人) | 合格者割合/2,547人中 |
---|---|---|
20代以下 | 281 | 11% |
30代 | 817 | 32.6% |
40代 | 755 | 30.2% |
50代 | 466 | 18.7% |
60代以上 | 189 | 7.6% |
直近5年間の平均値で、最も合格者数が多いのは30代でした。
各年の内訳を見ても、必ず1~2位の割合を占めています。
社労士試験の受験資格を得るには、大学で単位を修めたり、3年以上の実務経験を積んだりする必要があります。
20代までは、受験資格を得るための勉強や実務に励む人が多く、30代で受験する人が多いと推測。
次いで割合が多いのは40代のため、30代で合格できなかった人や、実務で資格が必要になった人が挑戦していると考えられます。
ただし、20代も例年200~300人が合格しており、積極的にチャレンジする人が一定数いるとわかります。
60代以上は、平均値や各年ともに一桁で最下位です。
受験者数が少なく、勤務状況によって本気度に差があるためかもしれません。
しかし、年々40代以上の受験者が増えているのも事実。
現在は、定年後も仕事をする方が増えているので、セカンドキャリアとして社労士を選択する方がいます。
年収も、年齢が上がるごとに増えているので、社会人経験が長く知識が豊富な方が、社労士として信頼されやすい傾向が高いです。
現役で社労士として活躍している方も、平均年齢40.5歳とあるので、年齢関係なく挑戦できる資格といえるでしょう。
以下参照データ
【令和5年度 年代別データ合計】
年代 | おおよその合格者数(人) | 合格者割合/2,720人中 |
---|---|---|
20代以下 | 321 | 11.8% |
30代 | 887 | 32.6% |
40代 | 794 | 29.2% |
50代 | 514 | 18.9% |
60代以上 | 204 | 7.5% |
【令和4年度 年代別データ合計】
年代 | おおよその合格者数(人) | 合格者割合/2,314人中 |
---|---|---|
20代以下 | 228 | 10.7% |
30代 | 645 | 30.4% |
40代 | 676 | 31.7% |
50代 | 429 | 20.1% |
60代以上 | 152 | 7.1% |
【令和3年度 年代別データ合計】
年代 | おおよその合格者数(人) | 合格者割合/2,937人中 |
---|---|---|
20代以下 | 376 | 12.8% |
30代 | 1,046 | 35.6% |
40代 | 837 | 28.5% |
50代 | 496 | 16.9% |
60代以上 | 182 | 6.2% |
【令和2年度 年代別データ合計】
年代 | おおよその合格者数(人) | 合格者割合/2,237人中 |
---|---|---|
20代以下 | 275 | 12.3% |
30代 | 673 | 30.1% |
40代 | 673 | 30.1% |
50代 | 418 | 18.7% |
60代以上 | 197 | 8.8% |
【令和元年度 年代別データ合計】
年代 | 合格者数(人) | 合格者割合/2,525人中 |
---|---|---|
20代以下 | 207 | 8.2% |
30代 | 836 | 33.1% |
40代 | 795 | 31.5% |
50代 | 475 | 18.8% |
60代以上 | 212 | 8.4% |
社労士試験の合格率を男女別で分析
男女別の合格率について、年齢同様に令和元~5年度の合格者データを参考に分析しました。
【直近4年間 男女別データ平均値】(小数点第二位以下切り上げ)
おおよその合格者数(人) | 合格者割合/2,458人中 | |
---|---|---|
男性 | 1,570 | 62.6% |
女性 | 939 | 37.3% |
直近5年間の平均や各年ともに、合格者は男性が60%以上を占めていることがわかりました。
理由は、単に男性の方が受験者数が多いためです。
女性も例年800~900人が合格しており、令和3年度には数が増え、1,125人が合格しました。
女性は特に、共感力やクライアントとの会話力に長けているため、女性社労士の需要はますます増えていくと推測できます。
基盤センターが公開している、「専門サービス業(社会保険労務士事務所)の現状と課題」では、女性の30代から50代の層が男性より多く、女性の活躍が活発化しているとありました。
将来性のある資格として、より多くの女性がチャレンジする価値があります。
以下参照データ
【令和5年度 男女別データ合計】
合格者数(人) | 合格者割合/2.720人中 | |
---|---|---|
男性 | 1,665 | 61.2% |
女性 | 1,055 | 38.8% |
【令和4年度 男女別データ合計】
合格者数(人) | 合格者割合/2,134人中 | |
---|---|---|
男性 | 1,321 | 61.9% |
女性 | 813 | 38.1% |
【令和3年度 男女別データ合計】
合格者数(人) | 合格者割合/2,937人中 | |
---|---|---|
男性 | 1,812 | 61.7% |
女性 | 1,125 | 38.3% |
【令和2年度 男女別データ合計】
合格者数(人) | 合格者割合/2,237人中 | |
---|---|---|
男性 | 1,432 | 64.0% |
女性 | 805 | 36.0% |
【令和元年度 男女別データ合計】
合格者数(人) | 合格者割合/2,525人中 | |
---|---|---|
男性 | 1,624 | 64.3% |
女性 | 901 | 35.7% |
社労士試験の合格基準は?科目別の対策が必要か解説
社労士試験の合格基準点数と、科目別の対策ポイントを解説します。
社労士は合格率が低いので、資格を取得するためにも対策ポイントを抑えて、効率よく学習を進めましょう。
基準点は、毎年変動するので、受験する年の基準点は必ず確認してください。
社労士の合格基準点
直近5年間の社労士試験における合格基準点は、以下です。
【直近4年間の合格基準点データ】
選択式総得点 | 選択式各科目 | 択一式総得点 | 択一式各科目 | |
---|---|---|---|---|
令和5年合格基準点 | 26点以上 | ・全科目につき3点以上 | 45点以上 | 全科目につき4点以上 |
令和4年合格基準点 | 27点以上 | ・全科目につき3点以上 | 44点以上 | 全科目につき4点以上 |
令和3年合格基準点 | 24点以上 | ・労働に関する一般常識につき1点以上 / 国民年金法につき2点以上 ・その他3点以上 | 45点以上 | 全科目につき4点以上 |
令和2年合格基準点 | 25点以上 | ・労働に関する一般常識 / 社会保険に関する一般常識 / 健康保険法につき2点以上 ・その他3点以上 | 44点以上 | 全科目につき4点以上 |
令和元年合格基準点 | 26点以上 | ・社会保険に関する一般常識につき2点以上 ・その他3点以上 | 43点以上 | 全科目につき4点以上 |
第54回(令和4年度)社会保険労務士試験の合格基準について|厚生労働省
第53回(令和3年度)社会保険労務士試験の合格基準について|厚生労働省
第52回(令和2年度)社会保険労務士試験の合格基準について|厚生労働省
第51回(令和元年度)社会保険労務士試験の合格基準について|厚生労働省
①選択式試験は、全8問につき各問1点、1科目5点満点、合計40点満点
②択一式試験は、五肢択一式で各問1点、1科目10点満点、合計70点満点
過去の合格ラインを参照した結果、選択式では28点以上、択一式では49点以上を目指せば合格はほぼ確実だと推測できました。
ただし総合得点だけではなく、科目別に合格基準点があるため、苦手科目を作らないことが重要です。
社労士の科目別対策方法
社労士試験の各科目は、「労働関係科目」と「社会保険関係科目」に分かれており、いずれも選択式と択一式で構成されています。
労働関係科目 | 社会保険関係科目 |
---|---|
労働基準法 | 国民年金法 |
労働安全衛生法 | 健康保険法 |
労働者災害補償保険法 | 厚生年金保険法 |
雇用保険法 | 社会保険に関する一般常識 |
労働保険徴収法 | |
労務管理に関する一般常識 |
令和5年度試験では、選択式は全科目につき3点以上、択一式は全科目につき4点以上が合格基準点でした。
以下では、各科目の対策ポイントを見ていきましょう。
【労働関係科目】
労働基準法
労働基準法は、労働者が安心して働くための最低基準である「労働条件」を定めた法律で、社労士試験の土台となる科目です。
実務でも頻繁に使われるので、試験対策だけでなく、実践的な知識を身に付けておくと良いでしょう。
労働基準法は、「条文」や「通達」、「判例」が出題されやすいため、反復学習がおすすめ。
「労働契約および雇用上の最低条件」については、知識を詰め込むのではなく、しっかり理解することが重要です。
労働安全衛生法
労働安全衛生法は、労働災害(労災)から労働者を守るために、安全衛生管理体制や健康管理などについて規定する法律です。
出題されやすい「安全衛生管理体制」を優先的に学習しつつ、「機械に関する規制」「有害物質に関する規制」なども基礎を固めましょう。
労働安全衛生法は、トラブルが起こった後ではなく、発生しないように防ぐことを規定した法律なので、学習する際には混同しないようにしてください。
暗記事項が多いため、スキマ時間に可能な限り知識を習得するのがおすすめです。
労働者災害補償保険法
労働者が、業務や通勤中に怪我を負ったり、病気になったりした場合に、国が補償する制度に関する法律です。
保険者と被保険者の関係をしっかり理解し、保険給付の仕組みは必ず頭に入れましょう。
出題範囲には、
・通勤災害
・業務災害
・保険給付
・特別加入
などから問題が出題され、基礎知識から判例や事例問題があります。
過去問を繰り返し解くことで、基礎知識が身につき、応用問題でも得点がしやすくなります。
事故発生から、保険給付までの流れをうまくイメージできれば、得点につなげられるでしょう。
雇用保険法
労働者の失業時に給付を行い、雇用の安定と生活の保障、失業の予防などを図るための法律です。
保険給付の計算方法をしっかり理解する必要があり、多くの数字も覚えなければなりません。
複雑な法律だからこそ重点的に対策して、合格の可能性を高めていきましょう。
試験対策として、雇用保険法を学習する際には、給付金や手当の種類を整理しながら、条件などを混同しないようにすると、スムーズに覚えることができます。
労働保険徴収法
労災保険と雇用保険の、保険料の徴収方法や必要な手続きなどを定めた法律です。
まずは、前提知識である労働者災害補償保険法と雇用保険法を理解して、そのうえで学習に取り組みましょう。
「労働保険の徴収手続き」といった、重要事項の仕組みと計算方法を理解すれば、高得点の獲得も不可能ではありません。
労働保険徴収法は、労働者災害補償保険法と合わせて出題される傾向が高いので、一緒に学習すると効率よく知識定着が可能です。
労務管理に関する一般常識
上記で紹介した出題範囲を除いた、一般常識が幅広く出題され、例年出題傾向を予測するのが難しい科目です。
ただし、一般常識といっても社会常識が出題されるわけではなく、あくまでも「労務管理」に関する基礎知識を固めれば得点は可能です。
学習する際は、「厚生労働白書」や「労働経済白書」、「周辺法令」などの知識を重点的に固めましょう。
【社会保険関係科目】
国民年金法
国民年金は、会社員や公務員に加え、自営業者が加入している年金制度です。
出題される内容は、
・老齢基礎年金
・障害基礎年金
・遺族基礎年金
・付加年金
・国民年金基金
などの、項目から出題されます。
国民年金法は、改正が何度も行われているため、正確な知識を習得するには問題演習をくり返さなければなりません。
複雑な内容もあるので、時間をかけて理解する必要があるでしょう。
しかし国民年金法は、年金制度の基礎的な科目になるので、内容を理解し得意科目にできれば、合格まで有利に進めることが可能です。
健康保険法
健康保険法は、保険料の支払いによって、医療費の負担が軽くなる制度について定めた法律です。
出題される内容は、
・標準報酬
・保険給付
・高額医療費
・適用事業所
・被保険者
・費用負担
などの中から、出題されます。
日常生活を送る中で身近な法律だからこそ、仕組みをイメージしやすい分、得点を稼ぐポイントにしておくのがおすすめ。
問題は難化してきているものの、基礎をしっかり固めれば合格点を突破できるでしょう。
厚生年金保険法
厚生年金保険法は、会社員や公務員の年金給付について定めた法律です。
国民年金法と健康保険法の理解を前提としているため、まずはこの2つを学習することで、得点しやすくなります。
法改正が何度も行われたので、複雑に感じる方も多い科目。
さらに、覚える数字も多いので、国民年金法を先に学習してから、違いなどを確認できるように勉強してください。
計算については実際に手を動かして、知識を定着させましょう。
社会保険に関する一般常識
社会保険に関する一般常識は、上記の社会保険科目以外のあらゆる法律が出題されます。
出題範囲は、
・国民健康保険法
・介護保険法
・児童手当法
・確定拠出年金法
・社会保険労務士法
などがあります。
社会保険に関する一般常識は、出題範囲が広いため点数が取りづらいといわれている科目。
労務管理に関する一般常識と同じく、厚生労働白書や統計資料からも出題される可能性があるので、試験対策の際には、目を通しておきましょう。
社会保険の歴史、医療・介護・財政などの幅広い分野もカバーする必要があります。
社労士と「行政書士」や「税理士」との難易度の違いを比較
社労士とのダブルライセンスにおすすめでき、代わりの資格としても役立つ国家資格が、行政書士と税理士です。
行政書士は官公庁への提出書類の作成、書類に関する相談、各種手続きを担う専門家。
社労士資格と組み合わせれば、社会保険に関する相談も請け負い、業務の幅を広げられます。
税理士は税務の専門家であり、税務代理や税務書類の作成、税務相談を担います。
納税者が所得を計算し、正しく納税するためにサポートすることがメインの職業。
社労士と税理士のダブルライセンスで、税務と労務のいずれに関する業務も担うことができるようになります。
以下では、社労士と行政書士、税理士の違いと難易度をまとめました。
社労士 | 行政書士 | 税理士 | |
---|---|---|---|
試験時期 | 8月 | 11月 | 8月に3日間 |
試験科目 | 【労働関係科目】 ・労働基準法 ・労働安全衛生法 ・労働者災害補償保険法 ・雇用保険法 ・労働保険徴収法 ・労務管理に関する一般常識 【社会保険関係科目】 ・国民年金法 ・健康保険法 ・厚生年金保険法 ・社会保険に関する一般常識 | 【行政書士の業務に関し必要な法令等】 ・基礎法学 ・憲法 ・民法 ・行政法 ・商法 / 会社法 【行政書士の業務に関連する一般知識等】 ・政治 / 経済 / 社会 ・情報通信 / 個人情報保護 ・文章理解 | 【会計学に属する科目】 ・簿記論 ・財務諸表論 【税法に属する科目】 ・所得税法 ・法人税法 ・相続税法 ・消費税法又は酒税法 ・国税徴収法 ・住民税又は事業税 ・固定資産税 上記のうち、受験者の選択する3科目 ※所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必須。科目合格制で1科目ずつ受験が可能 |
合格率 | 6.4% | 13.9% | 21.7% |
目安勉強時間 | 独学の場合:800~1,000時間 通信講座の場合:約500時間 | 独学の場合:800~1,000時間 通信講座の場合:500~800時間 | 独学の場合:3,000~5,000時間 通信講座の場合:約3,000時間 |
最も合格率が高かったのが、21.7%の税理士ですが、それだけで難易度を判断してはいけません。
税理士は税務に関する膨大な知識が問われ、11科目中5科目に合格しなければ、資格を取得できないのが特徴です。
1科目あたりの勉強時間は数百時間とされ、5科目に合格するまでには、一般的に3,000~5,000時間の勉強が必要とされています。
一方、社労士と行政書士はいずれも、800~1,000時間の勉強時間で合格でき、通信講座を利用すれば500時間程度で合格を目指せます。
合格率が高い行政書士が、この中では最も資格を取りやすいでしょう。
「社労士は難易度が高そう」と感じる人は、まず行政書士試験の合格を目指せば、他資格でも通用する知識が身に付くためおすすめです。