司法書士合格後の流れ(研修~就職まで)令和6年版!費用はどのくらい?

司法書士試験に合格後は、新人研修を受ける必要があります。研修を受けることで、司法書士の仕事の進め方やマインドを学ぶことができ、転職や就職をした際に役立ちます。

新人研修は3種類あり、それぞれ学ぶ範囲や期間が異なるのが特徴。特に最後に受ける司法書士会研修は、実際に事務所に配属され、実践的な業務を学びます。

しかし研修があるとわかっても、「社会人でも研修を受けられるのか不安」「研修以外にも合格後にやることがあるのか知りたい」と考えている方も多いでしょう。司法書士試験に合格後は、研修を受ける他に就職活動が始まります。

早めに求人を探すことによって、自分の希望に沿った就職先を見つけることができます。本記事では、新人研修の期間や費用、研修後の流れなどを詳しく解説します。

司法書士試験後の流れを把握したい方は、参考にしてみてください。

目次

司法書士試験の合格後は何をする?合格発表後の流れを解説

最初に、司法書士試験に合格後の流れを解説します。試験に合格しただけでは司法書士と名乗ることができないので、合格後の流れを把握し、研修などに参加しましょう。

研修は、司法書士の仕事に活かせる実践的な業務方法を学べます。就職活動を開始する時期も紹介しますので、司法書士試験を受ける方は試験後の流れを理解し、計画的に進めてください。

司法書士試験に合格をしたら求人を探し就職活動を始める

司法書士試験に合格後は、早めに就職活動に移りましょう。司法書士の求人が多くなるのは、合格発表後の10月。

早めに就職活動をすることで、ライバルが少ないうちから、希望に沿った職場を探すことができます。司法書士の求人は、他の職業と比べると少なめです。

時期を逃してしまうと、合格後にすぐ転職や就職ができない可能性があるので、就職活動は研修や現職と並行して行うようにしましょう。求人を効率よく探すためにも、転職エージェントや転職サイトを利用するのがおすすめ。

転職エージェントであれば、キャリアアドバイザーが在籍しています。キャリアの相談や、転職先のアポイントなどを代行してくれるので、仕事をしながらでも司法書士の職場を探すことができます。

士業専門のサイトもあるので、司法書士を目指している方は、事前に登録をしておいてください。

司法書士の仕事や業務に必要は倫理的思考などを取得する新人研修を受ける

司法書士試験に合格後は、新人研修を受けます。新人研修を受けなければ、司法書士になることができないので、必ず研修に参加しましょう。

新人研修は、全部で3種類あり「中央研修」「ブロック研修」「司法書士会研修」の順に受けていきます。最初の中央研修は、eラーニングで司法書士の歴史や主要業務、仕事をするうえでのマインドを学びます。

ブロック研修は、地域ごとに設定されたブロックで行う研修。新人研修とは違い、実践的な知識を学ぶことができ、独立を目指す方にも役立つ内容です。

最後の司法書士会研修は、全国各地の司法書士会で行われます。実際に事務所で働くので、現役の司法書士から業務を学ぶことができ、今後の就職に欠かせない研修。

各司法書士会で、研修方法は異なりますが、実際に業務を進める方法を学べるので、受けておくと転職先などへのアピールにもなるでしょう。

認定司法書士になる場合は特別研修と認定考査を受ける

司法書士の新人研修を終えると、認定司法書士を目指せる特別研修を受けられます。認定司法書士は、簡易裁判の訴訟代理などができるので、司法書士よりも業務の幅を広げることが可能

裁判所に関する書類作成も業務に含まれるので、年収アップを狙えるでしょう。特別研修は、簡裁訴訟代理等関係業務を行うために、必要なスキルを取得する研修です。

具体的な内容は、基本講義や演習をし、裁判所で模擬裁判、少人数で取り組むグループ研修などをします。司法書士の知識を活かしながら、裁判関連の知識も得ることができるのが魅力。

研修を行った際には、認定考査を受けます。認定考査は記述式で行われ、事実認定の手法や訴訟代理人としての倫理に関する能力などを、習得しているかを問われます。

考査を受ける際には、入会している司法書士会から申請書を受け取り提出します。認定司法書士の合格率は、70%前後といわれているので、司法書士の資格を持っていればさほど難しくはないでしょう。

研修後は司法書士会に入会し日本司法書士連合会に登録する

司法書士の新人研修が終わったあとは、司法書士会に入会し日本司法書士連合会に登録をします。登録をしないと、司法書士として仕事ができないので注意しましょう。

司法書士会などに登録するには、新人研修を受ける必要があるので、順序を間違えないようにしてください。新人研修後は、住んでいる地域の司法書士会に登録申請をします。

必要な書類は、入会する司法書士会にあるので、発行してもらいましょう。申請後は、司法書士会の役員と面談をします。

面談後に、日本司法書士連合会に登録をするので、必要な書類はあらかじめ用意しておくと良いでしょう。司法書士会や日本司法書士連合会に登録が終わると、司法書士として仕事を受注できるようになります。

就職活動中でも、申請ができるので、求人を探しながら登録をしてください。また司法書士に合格後、すぐに司法書士として働かない場合は、登録を見送ることも可能です。

司法書士会に入会すると、毎月費用がかかるので、司法書士として働く時期に合わせて登録をしましょう。

日本司法書士会連合会について、詳しく知りたい方は、以下の動画で解説しています。

司法書士試験の合格後に受ける新人研修の種類や費用を紹介

次に、司法書士に合格後に受ける新人研修について詳しく解説します。新人研修は、上記で触れた通り3種類あり、それぞれ学ぶ内容や研修の進め方が異なります。

資格を取得後、司法書士として働くためには、新人研修は必ず受けなければいけないので、研修の内容を把握しておきましょう。研修の費用も解説するので、司法書士を目指す方は参考にしてみてください。

中央研修は司法書士試験後に最初に受ける研修でeラーニングで学べる

中央研修は、日本司法書士会連合が行っている研修で、主にeラーニングで実施されます。講義が中心となるので、社会人で司法書士を目指している方も、仕事と両立をしながら受けることが可能。

中央研修は、毎年12月から1月に行われ、地域ごとにグループに分かれて実施されます。グループごとに実施される期間が異なるので、研修を受ける際には自分がどのグループか把握しておきましょう。

参考に、令和5年に行われた中央研修の日程を紹介します。

第1グループ北海道ブロック
東北ブロック
中部ブロック
近畿ブロック
中国ブロック
四国ブロック
九州ブロック
令和5年12月11日〜12月28日
第2グループ関東ブロック令和5年1月5日〜1月22日

eラーニングで講義を受けた後は、確認問題を解きます。問題に正解しないと受講が完了にならないので、注意してください。

中央研修を受ける際には、申し込みが必要です。提出書類を用意し、受講料44,00円を用意しましょう。申し込みは、新人研修の申し込みサイトから申請できます。

ブロック研修は中央研修後に行われ現場で必要な知識を学べる

ブロック研修は、全国で8つのグループに分かれて実施する研修。中央研修に比べると、より実践的な内容を学べます。

eラーニング形式と会場に集合して研修を行う2種類があり、研修を受けるブロックで異なります。各ブロックでは、定員数が決まっているので早めの申し込みが必要。

研修が行われる日程も、各ブロックごとに異なります。曜日関係なく1週間行われるブロックもあれば、土日のみ開催されているブロックも。

住んでいる地域で異なるので、仕事をしながら研修を受けている方は、必ず日程を確認し研修に参加してください。eラーニングではない会場で行われる研修では、仕事を休まなければいけません。

ブロック研修を受けないと、次に進めないので、スケジュール管理をし計画的に進めましょう。受講料は33,000円です。

以下は、令和5年の試験に合格した方の日程です。

ブロック定員日程研修形式
北海道ブロック30名令和6年1月15日〜21日集合形式
東北ブロック40名令和6年1月14日〜22日集合形式
関東ブロック330名web:令和5年12月18日〜令和6年1月14日
集合:令和6年1月13日〜1月14日
web形式(eラーニング)
集合形式
中部ブロック65名令和6年1月8日〜14日集合形式
近畿ブロック130名・令和5年12月16日〜17日、21日〜24日
・令和6年1月5日〜8日、12日〜14日
集合形式
中国ブロック40名令和6年1月10日〜16日集合形式
四国ブロック20名令和6年1月6日〜12日集合形式
九州ブロック70名令和6年1月13日〜20日集合形式

司法書士会研修は住んでいる地域で行われ実務を事務所で実務を学ぶ

司法書士会研修は、各地域にある事務所に配属され研修を行います。配属研修ともいわれ、実際に現役で働く司法書士の業務を見ることができます。

実施する司法書士会によっては、集合研修の場合も。配属研修は、希望者のみが受けることができ、事務所の指定も可能です。

希望者が多い場合は、抽選になる可能性もあるので、注意してください。事務所に配属された際は、身近で司法書士の仕事を見ることができるので、中央研修やブロック研修よりも、実務に近い経験を積めます。

研修場所で学ぶ内容も異なりますが、主に司法書士倫理や不動産と商業登記、裁判書類の作成などを学びます。配属研修は、実務に近い経験を積めますが給料は出ません。

研修なので、主に司法書士の仕事を学ぶのが目的です。司法書士会研修は、受講料が無料の地域もあります。

実施される司法書士会によって、詳細がさまざまなので申し込む際には確認をしましょう。

認定司法書士になるためには新人研修の他に特別研修を受ける必要がある

司法書士になるには、新人研修を受ける必要がありますが、認定司法書士になる際には、特別研修を受ける必要があります。特別研修の受講料は、145,000円。

他の研修と比べると、費用が高くなりますが、研修の内容が豊富で裁判関連の知識を実践的に学べます。特別研修の内容は、以下の通りです。

  • 集合研修
  • グループ研修
  • ゼミナール
  • 模擬裁判
  • 法廷傍聴

集合研修では、民事訴訟や法令に関する基礎知識を学び、講師の講義やDVDを視聴する形が多いのが特徴。認定司法書士で行う業務に欠かせない知識なので、受ける際にはしっかりと把握できるようにしましょう。

グループ研修では、少人数でグループを組み、実際に起こりうる事案を解く研修です。討論をしたり学校の授業のように指名される場合もあるので、予習や復習をしっかりとしなければいけません。

ゼミナールは、グループ研修で行った内容の確認をします。模擬裁判でも必要な知識になるので、研修が多いですが基礎知識を固められるようにしておきましょう。

模擬裁判や法廷傍聴は、実際に裁判所へ行き研修をします。模擬裁判では、2つのグループを作り原告と被告に別れて、訴訟をします。実践的な裁判を体験できるので、認定司法書士の仕事を深く理解できます。

法廷傍聴は、訴訟事件を法廷で見ることができ、どのように裁判が展開されていくのかを把握できる研修。裁判官とのやり取りの仕方も分かるので、依頼を受けた際の業務に活かせます。

司法書士の新人研修は社会人でも受けることができるのか研修の種類別に解説

司法書士試験は、社会人になってから受験する方も多いので、新人研修も仕事をしながら受けられるのか、気になる方も多いでしょう。この項目では、司法書士の新人研修が、社会人でも受けられるのかを解説します。

新人研修は3種類あり、それぞれ研修内容が異なるので、仕事と並行して行う方は必ず研修内容を確認しましょう。

司法書士試験後すぐに始まる中央研修は社会人でもスキマ時間で受けられる

司法書士試験にすぐ受けられる中央研修は、eラーニングが中心の研修なので、社会人で仕事をしている方でも研修を受けられます。eラーニングは、視聴できる期間が地域によって異なるので、研修を受ける際には期間をチェックしましょう。

また中央研修は、eラーニングだけではなく、動画で学んだことを確認するテストもあります。問題が解けないと研修が完了しないので、動画の内容はしっかり覚えるようにしてください。

eラーニングは、スマホやパソコンがあれば視聴できます。動画は、新人研修の専用サイトにリンクがあるので、専門サイトを確認しましょう。

スキマ時間で受講できる研修ですが、期間が限られているので、計画的に進めるようスケジュールを立ててください。問題を解く時間も考慮して、スケジュールを立てるのがおすすめ。

研修を修了しないと、次の研修に進めないので、仕事と両立をする方は注意してください。講義とは違い、期間内であれば受講の日程は自由なので、通勤時間や退社後などに時間を作り、研修を受けましょう。

ブロック研修は受ける地域によって社会人でも受けられる可能性がある

ブロック研修は2種類の形式があり、「集合形式」と「web形式」に分かれます。住んでいる地域ごとにブロックが別れるので、まずは自分がどのブロックに属するのかを把握しましょう。

属するブロックの研修が、集合形式であれば、指定された場所にいき研修を受けることになります。eラーニングとは違い、時間や場所に指定があるので、研修期間は仕事を休まなければいけない可能性があります。

研修の期間もブロックごとで異なり、土日に行われる場所もあれば、1週間続けて研修があるブロックも。令和5年に実施されるブロック研修では、関東ブロックのみがweb形式を採用しています。

web形式での研修が少ないので、受講する際には、仕事のスケジュールを確認し申し込んでください。また、ブロック研修は定員が設定されています。

定員になってしまうと、研修が受けられないので、早めに申し込みをしましょう。独立起業を考えている方は、開業する地域で研修を受けるのが推奨されています。

住んでいる地域とは異なる可能性もあるので、独立起業を検討している方は研修場所も検討しておいてください。

司法書士会研修は事務所に配属になるので仕事を休む必要がある

司法書士会研修は、事務所に直接配属され研修を行います。集合研修もありますが、どちらも仕事をしながら研修を受けるのは難しいでしょう。

配属され司法書士の仕事を学ぶ際には、研修に集中したほうが実務を効率よく学べます。司法書士会によって研修期間が異なるので、仕事を休む際には日程を確認し申請してください。

司法書士会研修は、他の研修とは異なり強制参加ではありません。仕事を休めない場合や、事務所以外の就職を考えている方は、受講しないという選択も可能。

しかし、事務所では実践的な業務を学べるので、今後の就職活動や仕事に活かせるでしょう。配属先は、希望を出すことが可能です。

事前に働いてみたい事務所をピックアップしておき、研修が受けられるか申請をします。必ず、希望通りに配属されるとは限りませんが、申請書には受講希望地を選択できるので、業務を行いたい事務所がある方は希望を申請してみてください。

事務所で実際に業務をする配属研修の他に、司法書士会研修では集合研修も行われます。集合研修は、指定された場所で講義などを受けます。

配属研修と合わせて行われる場合もあるので、研修を受ける司法書士会のサイトを確認しましょう。

新人研修後に司法書士会へ登録するには?準備する書類や費用を解説

新人研修が終わったら、次は司法書士会や日本司法書士連合会に登録をします。登録をすることで、司法書士の仕事が出来るようになるので、必要な書類や費用を事前に把握しておきましょう。

司法書士会と日本司法書士連合会では、登録方法が少し異なります。申請方法も解説するので、間違いがないようにし、スムーズに登録できるようにしてください。

司法書士会に提出する書類は10種類なので漏れがないように準備する

司法書士会に入会するためには、必要書類を提出しなければいけません。司法書士会によって、必要な書類や形式が異なるので、入会する予定の司法書士会の指示を確認しましょう。

以下は、司法書士会に提出する書類の種類です。

  • 登録申請書
  • 司法書士名簿
  • 入会届
  • 履歴書
  • 司法書士試験合格証明書
  • 誓約書
  • 住民票
  • 身分証明書
  • 戸籍謄本
  • 登記されていないという証明書

司法書士会によりますが、全部で10種類の書類が必要な場合があります。揃える際には、時間がかかるので、司法書士会に入会する予定の方は研修中から準備を進めておきましょう。

書類の他にも、証明写真や職印、司法書士バッジなど、書類以外でも準備するものがあります。全てが揃うまで、時間がかかる場合もあるので、事前にスケジュールを立てながら揃えてください。

必要な書類が揃ったら、司法書士会の登録を進めます。司法書士会に登録する流れは、以下の通りです。

  • 司法書士会に書類を提出
  • 役員面談
  • 司法書士会が日本司法書士連合会へ書類を送付
  • 日本司法書士連合会で審査
  • 不備がなければ登録

書類が揃った後は、司法書士会へ提出します。郵送はできないので、直接提出して確認をしてもらいましょう。

書類の提出後は、役員面談があります。司法書士会の役員と面談をし、その後は司法書士会が日本司法書士連合会へ書類を送付。

連合会で、書類のチェックが行われます。書類を提出する際は、事前に司法書士会に連絡をし、日程を決めましょう。

仕事と同じく、アポイントを取らないと書類を見てもらえない可能性があります。相手も仕事をしているので、お互いに空いている日程を調節し、書類を提出してください。

司法書士会に登録するには入会金や会費が必要なので事前に調べて用意する

司法書士会に登録する際には、入会金や会費が必要です。必要な費用も、司法書士会によって異なるので、事前に確認し準備しておきましょう。

参考に、一般的な登録料や会費、手数料は以下の通りです。

登録手数料25,000円
登録免許税30,000円
司法書士会入会金(司法書士会で異なる)35,000円〜50,000円
月額料入会する司法書士会で異なる
司法書士バッジ6,500円
参照:司法書士登録手数料について

司法書士会の登録には、10万円前後の必要がかかります。独立起業をする場合は、全額自己負担になりますが、事務所などで勤務をする際には、事務所が負担してくれる可能性もあります。

就職先が決まっている方は、事務所負担になるのかを確認し、司法書士会に登録しましょう。司法書士会の登録は、就職先の判断で時期が異なります。研修を終えてすぐのところもあれば、入社に合わせて登録を行う場合も。

司法書士会に入会すると、毎月定額の料金を支払わなければいけません。事務所負担になると、どのタイミングで登録し負担してもらうのかが、事務所判断になるので、登録は焦らず就職先に合わせて行いましょう。

月額費用は、毎月支払う場合や3ヶ月ごとに支払うなど、司法書士会によって異なります。安い金額ではないので、負担にならないようにどのくらいの費用が必要なのか、どのくらい収入を得られるのかを確認して登録を進めてください。

行政書士などダブルライセンスの方は、行政書士でも登録料がかかるので注意が必要です。司法書士会の登録は、時期を選べるので、費用を確認しながら入会するタイミングを決めましょう。

司法書士会は必ず入会する必要がある?入会するメリットやデメリットを紹介

司法書士会は、司法書士として仕事をするために、登録が必要不可欠です。しかし、司法書士会に入会してどのようなメリットがあるのか、気になる方も多いでしょう。

この項目では、司法書士会に入会した際のメリットやデメリットを解説します。司法書士として仕事をするために、入会しようか迷っている方は参考にしてください。

司法書士会に入会するメリットは司法書士として働けるようになること

司法書士会に入会するメリットは、司法書士の仕事ができるようになることです。入会するとことで、司法書士の独占業務である、不動産登記や商業登記の仕事を受注可能。

独占業務ができるようになると、司法書士の知識を活かして活躍できますし、就職先を決める際のアピールになります。司法書士事務所に就職するのであれば、登記メインで仕事を受注している可能性があるので、入会はしておいたほうが良いでしょう。

合同事務所であっても、他の士業の方ができない登記業務ができるので、連携してクライアントの依頼を受けられます。携われる業務が多いほど、収入アップにつながるので、転職を通して収入をあげたいと考えている方は、司法書士会に入会しておきましょう。

また、認定司法書士になることで、簡裁訴訟代理などの業務をすることができます。司法書士会に入会しておくと、司法書士の通常業務に加えて簡裁訴訟代理などの仕事ができるので、活躍できる幅が広がります。

認定司法書士になるには、特別研修と認定考査を受ける必要がありますが、裁判の知識がつくのでスキルアップになるでしょう。司法書士会では、定期的に研修が行われています。

法律は改正される場合もあるので、常に新しい情報を得ることができ、仕事に活かせます。入会していないと、情報収集も自分で行う必要があるので、必要な情報を得られない場合も。

司法書士会では、常に法律に関する知識や必要であれば求人を探すこともできます。司法書士として、仕事をするなら入会しておいて損はないでしょう。

司法書士会に入会するデメリットは費用がかかるので負担が増えること

司法書士会に入会するとメリットも多いですが、入会金などの費用がかかるデメリットもあります。入会金だけでなく、司法書士会によっては毎月や3ヶ月ごとなどに、会費を支払います。

他の職業よりも金銭的な負担がかかるので、収入を得られないと司法書士会を継続的に利用できません。司法書士になる際には、登録の際にかかる費用や毎月の支出を確認し、無理のない範囲で支払えるように準備しましょう。

司法書士として仕事を途切れさせないためにも、最初は事務所などに就職するのがおすすめ。司法書士事務所であれば、入会金などを負担してくれる場合があります。

独立起業を目指している方は、司法書士の仕事に慣れるまでは、事務所に負担してもらい、幅広い業務ができるようになってから独立をすると経済面も安心です。独立起業では、事務所を構えるための家賃などもかかるので、慎重に準備をして独立できるようにしましょう。

また、司法書士会の入会は、就職先でタイミングが異なります。新人研修が終わってすぐに入会せず、就職先の意向を確認しましょう。

就職先によっては、事務所で働いて数年ほど経ってから、入会を進められる場合もあります。先に入会してしまうと、自己負担になってしまう可能性もあるので、就職先に確認してから入会をしてください。

司法書士会の入会には、費用の他に複数の書類や職印などを用意します。書類を集めるためにも、費用がかかる場合があるので、入会金などの他に支払えるよう余裕を持って準備しておきましょう。

司法書士試験に合格後の就職活動を効率よく進める方法

司法書士の試験後は、研修があり仕事をしている方にとっては、忙しい時期になります。就職活動も同時に進めていく必要があるので、どのようにスケジュールを組めばいいのか迷う方も多いでしょう。

以下では、司法書士の就職活動を効率よく進める方法を紹介します。社会人で、就職活動に時間を割けない方は参考にしてください。

司法書士の求人が多くなる10月から就職先を探し始める

司法書士の求人は、試験の合格発表がある10月から募集が開始される場合が多いです。10月は求人が多いので、就職先を探しやすい傾向。

ライバルも少ないため、早めに就職活動に進めるよう準備をしておきましょう。就職活動には、職務経歴書や履歴書が必要です。

スムーズに求人に応募できるように、一次試験が終わる7月頃から書類作成などの準備をするのがおすすめ。スキルの棚卸しや面接対策など、就職先を探すための準備にも時間がかかります。

ライバルが少ない時期から、希望の求人を探せるように、少しずつ自己分析やキャリアプラン、書類などを用意しましょう。試験合格後は、新人研修が始まります。

仕事と研修を両立しなければいけない時期なので、研修が始まる前から就職活動を始めることによって、慌てず希望の求人をじっくりと探すことが可能。

スケジュール管理もしやすいので、新人研修の日程を確認しながら求人に応募してください。司法書士の求人は、司法書士会のホームページや求人サイトなどで探すことができます。

必要であれば、登録を済ませておき、すぐに求人を探せるようにしておくと良いでしょう。

新人研修と並行して就職活動をすると早く就職先を見つけられる

上記でも触れた通り、司法書士試験に合格後は新人研修があります。新人研修は、3つ全てを受講すると1ヶ月以上かかります。

新人研修が終わってから就職活動を始めると、研修の期間分遅れてしまうので、研修と並行して就職活動をすると効率よく進められるでしょう。司法書士の求人は、合格見込みのうちから応募することが可能。

試験が終わってすぐ求人に応募できるので、研修よりも先に就職活動を始められます。研修期間は、指定の場所で講義を受けたり、事務所に配属され仕事をする場合もあります。

研修と並行して就職活動を進めるのに不安がある方は、試験後すぐに求人を探しましょう。気になる求人をピックアップするだけでも、就職活動の時間を短縮できます。

合格発表まで期間も空くので、就職活動に集中できる期間です。まずは、自分がどのようなキャリアを積みたいのかを明確にし、就職先を探してください。

キャリアプランが明確だと、求人を探しやすくなります。司法書士の就職先は、多様化しているので、目的を持って求人を探しましょう。

面接を受ける際には、採用側はコミュニケーション能力や真面目さ、法律に関する知識を学び続ける姿勢を見ています。将来独立を考えていることも、キャリアに対して意欲的な姿勢を見せられるので、アピールポイントを整理し、就職活動をしてください。

研修と仕事で忙しい場合は転職エージェントや転職サイトを利用する

司法書士の研修は、確認テストが合ったり集合形式で集中して行うので、就職活動や仕事をしながらだと大変に感じる方も多いです。就職活動が思うように進められない場合は、転職エージェントや転職サイトを利用しましょう。

特におすすめなのが、転職エージェントです。転職エージェントであれば、キャリアアドバイザーがサポートをしてくれるので、忙しい研修期間でも就職活動をすることができます。

キャリアアドバイザーに、希望の就職先を伝えておくと、求人を探してくれます。自分で求人を探す手間が省けるほか、面接の日程や書類作成のフォローをしてくれるので、スムーズに就職先を見つけられます。

また転職エージェントでは、非公開求人を取り扱っています。非公開求人は、求人サイトに掲載されていないので、ライバルが少なく良質な就職先を探せるのが魅力。

キャリアアドバイザーとのつながりがあるので、紹介してもらうことも可能でしょう。1人で就職活動するよりも、有利に司法書士の求人を探せるので、転職エージェントを利用してみてください。

【FAQ】司法書士試験に合格後の流れについてよくある質問

最後に、司法書士試験に合格した後の流れについて、よくある質問をまとめました。試験に合格後は、研修や就職活動などが重なるので、計画的に進める必要があります。

合格したらまず何をするべきか、司法書士会には必ず入会しなければいけないのかなど、詳しく解説します。司法書士を目指す方は、試験後の流れを把握し、焦らず就職先などを探せるようにしておきましょう。

司法書士の試験に合格したら何をする?具体的な流れを知りたい

司法書士の試験に合格したら、就職活動と新人研修を受けます。司法書士の求人は、合格発表が行われる10月に多くなるので、研修と並行して希望の職場を探す必要があります。

司法書士の求人は、他の職業と比べると少なめです。求人数が比較的多めの時期に、就職活動を始めることで、ライバルが少なくスムーズに就職先を探せるでしょう。

就職活動と並行して行うのは、新人研修です。司法書士になるためには、新人研修を修了しなければいけません。

新人研修は全部で3種類あり、「中央研修」「ブロック研修」「司法書士会研修」の順に受講します。ただし、司法書士会研修は希望者のみ受講することができるので、事務所で実際に働いて経験を積みたい方は申し込むと良いでしょう。

中央研修は、eラーニングで実施されます。研修に申し込むと、専用サイトの案内が来るので、司法書士についての動画講義を順に見ていきます。

動画を視聴後は、確認テストが行われるので、しっかりと知識を得られるように取り組んでください。ブロック研修は、住む地域でブロックに分かれて研修をします。

研修の形式は、集合形式とweb形式があり、ブロックごとに指定があります。ブロック研修では、中央研修よりも実践的な知識を学ぶのが特徴。

仕事をしている方は、集合形式の場合、休みを取得して受講しなければいけないので、自分が該当するブロックの日程を把握しておきましょう。

研修が修了したら、司法書士会や日本司法書士連合会に登録し、司法書士の仕事が受注できるようにします。研修を修了した方が登録できるので、順番を間違えないようにしてください。

司法書士の新人研修は必ず受けないといけない?免除される場合はあるのか

司法書士の新人研修は、司法書士の仕事をするのであれば、受講しなければいけません。すぐに司法書士として仕事はせずに、資格だけ取得する場合は、研修を受けなくても良いでしょう。

しかし、新人研修では司法書士の仕事や業務を進めるためのマインドなど、試験勉強では学べない実践的な知識を得られます。法律を使いこなしてこそ、司法書士の仕事などで活かせるので、研修を受講するのがおすすめ。

司法書士の仕事を学ぶ研修ですが、他の仕事でも活かせるような知識を学べるので、受講しておくとスキルアップを狙えます。

また新人研修の中でも、最後に行われる司法書士会研修は希望者のみなので、必要な方だけ受講すると良いでしょう。司法書士会研修を受ける方は、独立起業を考えている方が多いです。

実際に業務を身近で見ながら学ぶことができるので、自分の事務所を構えて独立したいと考えている方は、受講してみてください。

司法書士会は必ず入会するべき?入会するメリットを知りたい

新人研修を受けた後は、司法書士会や日本司法書士連合会に登録をします。司法書士会などに登録をすると、司法書士として仕事をすることが可能です。

事務所などで仕事をするのはもちろん、独立起業をする際にも、司法書士と名乗れることで信頼性が増します。企業に属している場合でも、法律関係の仕事を請け負うことができるので、昇級や年収アップにつながる可能性があります。

司法書士会に入会すると、定期的に開催される研修会を受講できるので、常に新しい知識をアップデートできるのも魅力。最前線で、司法書士として活躍できるので、司法書士会の入会や日本司法書士連合会の登録はしておきましょう。

また、司法書士会に入会することで、独占業務である不動産登記や商業登記の仕事ができるようになります。登記ができるようになると、司法書士の事務所や合同事務所などに就職でき、業務に携わることが可能。

試験勉強の知識を活かすためにも、司法書士会に入会して、業務ができるように準備しておくと良いでしょう。

司法書士の就職先はどうやって探す?仕事をしながら探せるか不安

司法書士の就職先は、各司法書士会で紹介されているものや、転職エージェントなどのサイトを利用して探します。仕事をしている方であれば、研修などもあるので、スケジュール管理が大変な場合も。

就職活動に時間を割けない場合は、転職エージェントでサポートをしてもらいながら、就職先を探すのがおすすめです。転職エージェントには、キャリアアドバイザーが在籍しているので、求人を出している企業へのアポイントや職務経歴書などの作成をサポートしてくれます。

あらかじめ、空いている日程を伝えておくことで、面接日を調整してくれるのも魅力。司法書士試験に合格後は、研修で忙しくなる方が多いので、サイトのサポートを借りながら就職活動を進めましょう。

また、転職エージェントでは、非公開求人を紹介してくれる場合があります。他のサイトに掲載されていない求人も見ることができるので、選択肢が広がり希望する就職先を見つけられる可能性があります。

転職エージェントは登録が無料なので、司法書士の求人を探している方はサイトを確認してみてください。

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