司法書士は、法律の知識を活かして不動産登記や相続、書類作成、手続き代行などの仕事をします。専門的な知識が必要な職業のため、年齢関係なく就職することができるのが特徴的。
就職先として多いのは、司法書士事務所や他の士業の事務所、企業法務です。40代や50代で活躍している方も多く、生涯現役で働ける職業です。長く仕事ができるので、セカンドキャリアとしても注目されています。
しかし司法書士で就職をしたくても、「いつから就職活動を始めていいか分からない」「就職先が見つかるか不安」と悩んでいる方も多いです。そこで、本記事では、司法書士におすすめの就職先や求人を探す方法、就職活動を有利に進めるコツを紹介します。
司法書士として就職先を探している方は、参考にしてみてください。
司法書士の就職先は?資格を取った方が目指すべき就職先を紹介
最初に、司法書士の資格を取った方が就職できる職場を紹介します。司法書士の仕事は、現在多様化しているので、事務所以外の職場でも活躍できる場が増えています。
事務所以外でも就職することができ、将来どのように働きたいかによって、就職先を選ぶと自分が望むキャリアを形成できるでしょう。以下で紹介する就職先を参考にし、司法書士としてどのようなキャリアを積みたいか明確にしてみてください。
動画では、就活のポイントも解説しています。
司法書士事務所や司法書士法人は1番オーソドックスな就職先
司法書士の就職先として多いのは、司法書士事務所です。現在は、従業員が多く在籍している司法書士法人も、メインの就職先として挙げられます。
司法書士事務所と司法書士法人の違いは、事務所は個人で働いている方が多く、所長と数人の補助員が在籍しています。司法書士として独立した方が取る形態で、規模は小さく事務所によって、メインにしている業務が異なります。
司法書士法人は、従業員が100人以上のところから、個人で運営している事務所と同じくらいの規模など、さまざまな形態を取っています。個人事務所とは違い、規模が大きいところであれば、多くのクライアントから一気に仕事を受注し、担当業務ごとに効率よく仕事を回す場合があります。
法人なので、収入が安定しやすいのがメリットといえるでしょう。就職を考える際には、自分がどのような事務所の形があっているのかを考えて決めると、失敗も少なく働けます。
専門分野を伸ばしたい場合は、1つの業務をメインにしている事務所を選んだり、多くの仕事に携わりたいのであれば、法人の事務所を選ぶとキャリアを積めます。
他の士業の方と仕事をする合同事務所も司法書士におすすめな就職先
合同事務所は司法書士だけではなく、税理士や行政書士、社労士などの他の士業と一緒に業務を行う事務所です。他士業の方と人脈を築けますし、司法書士以外の仕事を学ぶこともできます。
司法書士事務所では経験できない業務に、携わることもできるので、スキルアップもできるでしょう。合同事務所であれば、それぞれの独占業務をもつ士業が一緒の事務所で働いているので、クライアントの依頼を一通り受けることができます。
例えば、会社を設立する場合は、行政書士は定款の作成業務を行い、登記の申請は司法書士が担当できます。登記は司法書士の独占業務になるので、他の士業の方はできません。
クライアントも複数の方に依頼せず、1度の依頼で済むので、合同事務所の需要が増えています。従業員が多い分、複数の依頼を同時に進めることも可能なので、実務経験を積む就職先としても最適です。
限定的な業務ではなく、幅広い仕事を経験したい方におすすめの就職先です。大手事務所であれば、転職や独立をする際の情報源になるので、将来を見据えた就職先としてもおすすめ。
人脈が広がることで、将来独立しても仕事がなくならず、キャリアプランを実現できます。
求人数は少ないが法律の知識を実践的に活かせる法律事務所
司法書士の就職先に、法律事務所もおすすめ。法律事務所は、弁護士が在籍しているので、最前線で法律の知識を活かす仕事が可能です。
弁護士の助手をすることもあるので、司法書士の仕事以外も業務に携わることができ、キャリアアップに繋げることができます。また、司法書士は特別な研修を受け認定考査に合格すると、認定司法書士として活動することが可能です。
認定司法書士は、簡易裁判所の民事訴訟手続きの代理や支払督促手続きの代理、民事紛争の相談など、司法書士ではできなかった業務も依頼を受けられます。法律事務所では裁判に関わる業務も多いので、認定司法書士の資格を持っておくと、弁護士と共に多くの業務をこなせるでしょう。
認定司法書士は、司法書士の資格を持っていると考査を受けられるので、裁判の業務に興味がある方は検討してみてください。
法律の知識を活かし経営や事業に関わることができる企業法務
司法書士は、法律の知識を活かし企業の法務部に就職することも可能です。企業法務では、経営者や事業者から、法律に関する相談を受けてアドバイスする仕事。
また、取引などで作成する契約書作成などを、法律の知識を使ってサポートします。企業法務は、経営に深く関わる場合もあるので、法律だけではなく経営の知識がつくのも魅力。
キャリアを積んだ後に、独立を考えている方や経営に興味がある方は、企業法務を目指してみると良いでしょう。法務の仕事は、相談を受けることも多いので、コンサルティングとしても活躍できます。
経営コンサルタントであれば、法律の知識を活かしながら、クライアントのサポートができます。司法書士以外でも進む道ができるので、色々な実務経験を積みたい方におすすめでしょう。
企業法務は、収入が安定するのも魅力。大手企業であれば、年収アップにもつながります。
司法書士は独立起業がしやすく自由な働き方を実現できるのでおすすめ
司法書士は、独立企業がしやすい職業だといわれています。専門的な知識が必要なうえ、不動産登記など独占業務があるので、仕事がなくなりにくいことから、独立を目指す方も多いです。
独立企業をすることで、事務所や企業に属するのとは違い、自由な働き方を実現できます。プライベートを充実させたい方や、家庭と両立をしたい女性にもおすすめの働き方。
独立する際には、先に実務経験を積んでおくと安心です。法律の知識があっても、実践的な経験がなければクライアントから信頼を得るのが難しいです。
仕事を無くさないためにも、事務所や企業で経験を積み、実力を付けてから独立をしましょう。事務所などで働く際には、人脈を作っておくのもおすすめ。
人脈があれば、知り合いを通して独立後に仕事を依頼される可能性もあります。他の士業の方と良好な関係を築ければ、協力して仕事を進めることもできるので、独立を考えている方は人脈づくりも意識してみてください。
司法書士の報酬額はどのくらい?収入から将来性を推測
司法書士の各業務でもらえる、報酬額や平均年収などを解説します。報酬額を知ることで、求人を探す際に年収や月の収入額を推測することができます。
実際に、現役で働いている司法書士から得た情報を元にするので、今後司法書士で就職活動をする方の目安になります。報酬額や平均年収を把握し、求人を探す際の参考にしてください。
現役で司法書士として働く方達の報酬額を業務別に比較
司法書士の報酬額を見るために、業務別に表にまとめました。年収を計算する目安にもなるので、以下を参考にしてください。
業務内容 | 報酬額(関東地区の平均) |
---|---|
所有権移転登記 | 51,909円 |
会社設立登記 | 99,611円 |
任意後見 | 32,509円 |
裁判書類作成 通常訴訟 | 68,650円 |
裁判書類作成 債務の整理 | 207,108円 |
一部の業務ですが、司法書士の報酬額は一度の依頼でもらえる金額が高めです。特に裁判所に提出する書類の作成は、20万円を超えています。
裁判所関係の仕事をする場合は、認定司法書士になる必要がありますが、年収アップを狙えるため、おすすめの働き方。司法書士の資格を持っていると、特別研修や認定考査を受けることが可能なので、収入を増やしたいと考えている方は、挑戦してみてください。
また、表の報酬額は関東地区の平均です。仕事をする地域で報酬額が異なるので、司法書士に就職する際には、平均額を調べて参考にしましょう。
司法書士の平均年収は約970万円で国家資格の中でも高め
司法書士の平均年収は、厚生労働省のデータを見ると約970万円といわれています。国家資格の中でも高めの年収で、中には1,000万円以上の年収を得ている方もいます。
平均年収が高いことから、他の業界から年収アップするために司法書士を目指すのもおすすめ。年収を上げるためにも、司法書士の資格を取得した後は、実務経験を積み実力をつけると良いでしょう。
クライアントから任される業務が増えることで、報酬額も上がり継続して仕事を受けることが可能です。ネットでは、司法書士は仕事がないと言われることもありますが、実務経験を積み、常に向上心を持って仕事に取り組めれば長く働けます。
また、最高年収を得ている司法書士の方は年齢が50代の方が多いので、年齢関係なく働けるのも魅力でしょう。長い期間働くことができるので、将来性がある仕事といえます。
認定司法書士を目指すことによってさらに年収を増やすことも可能
司法書士は、法務大臣からの認定を受けると、認定司法書士として簡易裁判の仕事ができるようになります。簡易裁判では、民事訴訟手続きの代理や支払い督促手続きの代理などができるようになり、司法書士よりも業務の幅が広がるのが特徴。
報酬額も、裁判に関わるものであれば、登記などの仕事よりも高くなる可能性が高いでしょう。現役で働いている方のアンケートでも、裁判に関わる業務は報酬額が高く、20万円以上の収入を得ている方もいます。
認定司法書士は、司法書士の資格を持っていれば、特別な研修と認定考査を受けることで目指すことができます。研修は、司法書士試験後に行われる新人研修の後に受けられ、実践的な知識が学べるのが特徴。
簡裁訴訟代理などの業務を行ったり、講義学習や模擬裁判が行われます。新人研修よりも、本来の仕事に近い形で行われるので、スキルアップになるでしょう。
研修後は、認定考査を受けます。認定考査はテスト形式で行われ、研修で知識が身についたかを確認します。
70点中40点以上を獲得すると、合格でき認定司法書士になれます。認定司法書士になることで、通常の司法書士よりもさらに年収アップを狙えます。
スキルアップや今後のキャリアのために、仕事の幅を広げたい方は、認定司法書士を目指してみてください。
司法書士の仕事は今後高齢化が進むに連れて増える可能性がある
司法書士の仕事は、相続や成年後見人が含まれるため、高齢化が進む日本では仕事が増える可能性があります。産業別の経済状況を見ると、司法書士が当てはまる「学術研究、専門・技術サービス業」は人手不足と出ています。
しかし人手不足でも、需要が増えているので、今後も仕事が減ることはなく増える可能性が高いでしょう。仕事内容も、以前と比べると多様化し、司法書士に任される業務が増えています。
これからも、司法書士の仕事内容が増える可能性もあるので、将来性があるといえます。現在は、AIが普及しているので仕事が取られると懸念を抱く方も多いですが、司法書士は人間にしかできない業務が多いので、仕事がなくなることは無いです。
クライアントのサポートや相談業は、AIにはできないことなので、人間がする必要があります。司法書士の仕事は、クライアントに寄り添い進めていく仕事が多いので、将来も安心して仕事ができます。
司法書士と行政書士など他の士業の平均年収を比較し将来性を推測
国家資格が必要な仕事には、司法書士の他に行政書士や社労士などがあります。平均年収をそれぞれ確認し、将来性があるのかを推測してみましょう。
表を見てみると、司法書士の平均年収は、弁護士と同じ金額だと分かります。行政書士や社労士よりも平均年収が高いので、年収アップを狙え将来性がある仕事だといえるでしょう。
司法書士の月収は、平均で30万円と出ています。他の業界とあまり変わらないように思えますが、報酬額が高い仕事を受けることで、自ずと年収を上げることが可能。
司法書士として、スキルアップをしていくことで、平均年収以上を目指せるのも魅力です。司法書士は、年齢関係なく長く働ける職業です。
常に向上心を持って仕事に取り組むことで、年収を上げながらやり甲斐の仕事を続けられるでしょう。
司法書士の就職活動はいつからするべきか?求人が多い時期や地域を解説
次に、司法書士の就職活動について詳しく解説をします。この項目では、司法書士の資格をとった方が、就職活動を始めるべき時期や求人数が多い地域について紹介します。
他の業界と比べて、司法書士の求人は数が限られるので、求人が多い時期や地域を狙うのがおすすめ。就職活動は、早めに始めると希望する求人を見つけやすいので、今後就職活動をする方は、参考にし準備をしてください。
司法書士の求人が多くなるのは資格試験の合格発表が行われた10月
司法書士の求人は、資格試験の合格発表がある10月に多くなります。司法書士の試験は、合格率が低く資格保有者も少ないため、入社を希望する人数も限定的です。
自分が希望する就職先を見つけるためにも、合格発表を待ちつつ、求人を探すのがおすすめ。早めに求人を探しておくことで、合格した際にすぐに就職活動に移ることが可能です。
司法書士に合格後は、研修を受けなければいけないので、スケジュールがタイトになります。社会人であれば、別の仕事に就きながら司法書士を目指している場合もあるので、早めに求人を探し応募するのが良いでしょう。
仕事をしながらの就職活動に不安がある方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。転職エージェントは、士業系の求人を中心に取り扱っているサイトもあるので、自分で探すよりも多くの求人を見ることができます。
また、キャリアアドバイザーが在籍しているので、就職活動について相談も可能。スケジュール管理を任せることができるので、仕事をしながらの就職活動もスムーズに進みます。
書類の作成や面接対策など、プロがアドバイスをしてくれるので、内定がもらいやすいです。
求人をだす事務所や企業が集まる「合同説明会」に参加すると就職しやすくなる
司法書士の就職活動を始めるなら、合同説明会に出席するのがおすすめです。合同説明会は、人材の採用を検討している事務所が多く集まります。
各事務所が、詳しい業務内容の説明をしたり、社風やどのような社員が働いているかなど、情報を集めるのに最適なイベントです。リアルな社員の声が聞けるので、自分に合った事務所を選びやすく、司法書士の就職活動が始めての方でも求人を探しやすいのが魅力です。
合同説明会は、主に関東や関西で行われることが多く、主催する会社によって優良な事務所が選別されています。就職後にミスマッチが起きにくく、長く勤める職場を探せるのが特徴。
イベントは、無料で参加することができる場合が多いので、複数の合同説明会に参加し、さまざまな事務所の説明を聞くと良いでしょう。求人の選択肢が増える他、事務所との繋がりを持つことができるので、採用される可能性も高くなります。
また、司法書士試験に合格する前から参加できるイベントもあるので、発表を待っている間も就職活動ができます。早めに、求人を探したい方は、合同説明会を利用し事務所の雰囲気などを確認してみてください。
司法書士の求人は関東や関西などの地域が多く就職活動をする際におすすめの地域
司法書士の求人が多い地域は、関東や関西など都市部が多く、地方になると求人が少ないです。住んでいる地域で求人を探す際には、その地域の司法書士会に入り求人を探すと希望の場所で就職先を見つけられる可能性があります。
司法書士会は、各都道府県にあるので、住んでいる地域で探してみてください。求人数に不安がある方は、司法書士試験に合格する前から準備を進めると良いでしょう。
就職活動には、自己分析や書類作成、面接対策などさまざまな準備が必要です。求人が多くなる10月よりも前に、書類などを作成しておくことで、ライバルが少ない中で就職活動が可能です。
司法書士の求人は、試験の合格前から書類選考をすることが可能。合格見込み者として、応募できるので、効率よく就職活動を進められます。
早めに動き出すことで、求人数が少ない地域でも就職活動をすることができ、希望する地域で働ける可能性があります。スムーズに就職活動を進められれば、研修前に内定が決まる場合もあります。
事務所によって異なりますが、入社する時期は4月が多いので、早めに内定が決まれば転職する準備時間に余裕ができます。
自分のキャリアプランをしっかり考えながら、どの地域で就職活動をするのか明確にして、求人を探しましょう。
未経験でも司法書士の就職を有利に進めるためのポイント
次に、未経験でも司法書士の就職活動を、有利に進められるポイントを紹介します。ポイントを把握しておくことで、就職活動でつまずくことが減り、希望の就職先を見つけることが可能。
資格など、アピールポイントを増やすことで差別化でき、書類選考などが通りやすくなる場合もあります。ポイントを抑えて就職活動をし、未経験でも司法書士として就職できるよう参考にしてください。
司法書士の他に行政書士や土地家屋調査士の資格を取りダブルライセンスにする
司法書士の就職活動を有利に進めるなら、ダブルライセンスがおすすめ。ダブルライセンスは、司法書士の他に資格を取得し仕事に活かすことをいいます。
司法書士と相性がいい資格は、行政書士と土地家屋調査士です。行政書士は、司法書士と同じ国家資格ですが、比較的難易度は低め。
合格率も13%と、4%の司法書士に比べると資格を取得しやすいです。行政書士は、主に警察署や官公署に提出書類の作成をします。
届出の簡単な書類作成から、複雑な許認可手続きなど、幅広い業務を行うことが可能。司法書士と組み合わせると、クライアントから依頼を受ける業務の幅が広がり、就職活動でもアピールポイントになります。
土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記の申請手続き代理をしたり、家屋に関する調査を行う仕事をします。司法書士も、不動産登記が業務に含まれるので、土地家屋調査士の資格を持っていると、不動産に関する仕事を一通りできるようになります。
このように、ダブルライセンスにすると、クライアントから依頼を受ける業務の幅が広がるので、就職先を探す場合でも、選択肢を増やすことが可能です。ダブルライセンスの方は、稀少性があるので、就職活動も有利に進めることができるでしょう。
司法書士の仕事に欠かせないコミュニケーション能力をつけて内定を取る
司法書士の仕事は、クライアントの要望に沿って仕事を進めることが多いです。相談業をすることもあるので、コミュニケーション能力をつけておくと、就職活動で有利になることがあります。
クライアントや他の士業の方と良好な関係を築ければ、さまざまな業務で活躍できる司法書士になれます。依頼も増える可能性があるので、コミュニケーション能力は、司法書士に欠かせません。
就職活動をする際には、事務所の方と会話ができる合同説明会に出席し、積極的に交流してみると良いでしょう。コミュニケーション能力は、日常生活でも磨くことが可能です。
人と接する機会を増やすことで、自ずと磨かれていくので、就職活動をしながらコミュニケーション能力をつけていけるよう行動してみてください。また、傾聴力を身につけるのもおすすめ。
傾聴力は、相手の話に耳を傾け、考えや悩みを引き出す能力です。コミュニケーションに欠かせないスキルで、傾聴力を高めることで、クライアントの悩みを深く理解したり、相手の考えを適切に把握できるようになります。
相手の話を聞けるようになると、クライアントの要望をしっかり理解し、業務を進めることが可能です。傾聴力も、日常生活で磨くことが可能なので、意識してスキルを磨き、就職活動に活かしてください。
前職が金融や不動産関係の仕事だと司法書士の就職に有利になることがある
司法書士の仕事は、金融系や不動産関係の業界と関わることが多いので、前職で働いたことがある方はアピールポイントになります。前職で働いていたということは、金融や不動産業界の知識があるということなので、事務所側で積極的に採用する可能性があります。
金融系で司法書士が主にする仕事は、相続時の戸籍収集の代行や預貯金の名義変更手続きなどをします。地域の金融機関と、関わりが多い司法書士なので、金融系の知識がある方は重宝され就職活動に有利になるでしょう。
不動産関係の仕事では、司法書士の独占業務である登記がメインになります。不動産の知識があることで、登記の仕事もスムーズに進められる他、クライアントの要望にも答えられます。
求人を出している事務所側も、金融や不動産の知識がある司法書士を求めているので、就職活動が有利になり内定をもらいやすいでしょう。
司法書士補助者として経験を積み即戦力として就職をする
司法書士補助者として実績がある方は、就職活動でアピールポイントになり有利になります。司法書士のさまざまな業務をサポートするので、司法書士の仕事を熟知しており、有資格者になっても活躍できると考えられ、内定をもらいやすくなります。
司法書士補助者は、資格を取る前に事務所などで働くことが可能。資格の勉強をしながらの仕事になりますが、実践的な経験を積める他、学習している内容をより深く理解できます。
間近で司法書士の仕事を見ることができるので、資格取得にも活かせるでしょう。資格を取得後は、司法書士として活躍できる可能性が高いので、1度経験しておくのがおすすめです。
司法書士補助者の仕事内容は、事務作業や書類作成、来客の対応などです。法務局や市役所などに書類を提出する業務もあるので、司法書士のサポートをしつつ、細かい作業を担当するのが特徴。
司法書士補助者の求人は、求人サイトや転職エージェントで探すことができます。地域ごとに求人が出ている場合があるので、住んでいる地域で探してみると良いでしょう。
未経験で司法書士の就職活動に不安がある方は、司法書士補助者を経験してみるのがおすすめです。
司法書士として働く人の平均年齢と40代や50代でも就職できる理由
司法書士は、年齢関係なく就職できる職業といわれています。一般的に、転職や内定がもらいづらい40代や50代でも就職活動をすることが可能なので、この項目では年齢関係なく就職できる理由を解説します。
現在は、定年退職をしても働く人が増えています。生涯現役で働ける職業であれば、将来も安心して生活が可能なので、司法書士を目指す方は参考にしてみてください。
司法書士として現役で働く人の平均年齢は47.2歳と高め
厚生労働省のデータでは、現役で司法書士の仕事をしている方の平均年齢は、47.2歳と高めの数字を出しています。年収のデータも見ると、50歳から54歳で最高年収になっています。
データからも分かる通り、年齢が高い方が活躍しやすい職業なので、40代や50代でも就職活動が成功しやすい傾向です。セカンドキャリアとして考える方も多く、年齢が高くなっているのも理由の一つ。
求人を出している事務所も、社会人経験が豊富な方を積極的に募集しています。司法書士は、クライアントの要望をヒアリングし業務を進めるので、ビジネスマナーが必要。
さらに、社会人経験があることで、即戦力として働くことができるので、すぐに業務に携わることができます。年収アップを狙うこともできるので、40代や50代で就職をしても一般的な職業より将来性があるといえます。
転職エージェントや求人サイトを見ても、年齢を気にせず応募できる求人が多いのも特徴的。司法書士になるには、法律の勉強をし研修を受けなければいけません。
司法書士として業務ができるまで、時間がかかるのも、年齢が高くても受け入れてもらえる理由の一つでしょう。生涯現役で働きたいと考えている方に、司法書士はとてもおすすめです。
相続や成年後見人の業務を行うので40代や50代などの司法書士が求められている
司法書士の業務には、相続や成年後見人が含まれます。相続などの依頼は、クライアントの年齢が高い場合があるので、40代や50代の司法書士が求められています。
若年層に相談するよりも、経験豊富な方にクライアントは相談したいと考えるので、年齢が高くても就職先を見つけやすいです。司法書士の事務所では、相続や成年後見人をメインに依頼を受けている場所もあります。
就職先を探す場合は、メインにしている業務を調べ求める人材を予測することで、内定をもらえる確率を上げることも可能です。相続や成年後見人は、クライアントと深く関わりながら仕事をするので、社会人経験が豊富な方だとスムーズに仕事ができるでしょう。
各事務所の仕事内容は、求人や合同説明会で情報収集することが可能です。情報を集めておくことで、求人を探す際に役立ちます。司法書士の資格は希少性があるので、一般的な資格保有者よりも内定をもらいやすい傾向です。
年齢が高いからと諦めず、就職先を探して、司法書士としてやり甲斐のある仕事をしましょう。
法律は大きく変わることが少ないので生涯現役で働く司法書士が多く年齢層が高い
司法書士の業務には、法律が深く関わっています。法律は、大きく変わることがないので、生涯知識を活用して仕事をすることが可能です。
法律は無くなることもないので、1度資格を取得すると生涯働けるのも司法書士の魅力。企業や事務所など就職先が多いので、多様なキャリアプランも考えられます。
独立起業をすることで、定年することなく自由に働けるでしょう。個人で働くと、ワークバランスを取りやすいのも、司法書士が人気の理由のひとつです。
具体的には、女性だと結婚や出産で会社を退職したり、働き方に悩む方が多いです。しかし、司法書士であれば独立することで、生活に合わせて仕事をすることが可能。
40代や50代であれば、子育てが一段落した際に、本格的に仕事復帰することもできます。年齢と共に働き方を柔軟に変えられるので、年齢や性別に関係なく司法書士はおすすめの職業です。
また、司法書士は全国各地で働けるので、家庭の都合で引越しをした際にも、柔軟に働く場所を変えることができます。全国各地に、司法書士会があるので、会員になると求人を探すことも可能。
住む場所も、働き方も自由に選べる職業はなかなかないので、家庭との両立やプライベートを大切にしたい方にも司法書士はおすすめでしょう。
司法書士として就職できる人の特徴とは?内定をもらうために必要なスキル
司法書士の仕事は、クライアントとのコミュニケーション能力や、変化する法律を学び続ける向上心のある方が、求められています。今後、就職活動をする際には、自分の強みを棚卸しし、面接でアピールできるように準備しておきましょう。
以下では、司法書士で内定をもらいやすい人の特徴を紹介します。面接対策にも活用できる内容なので、自分の強みと合わせながらアピールポイントを探してみてください。
司法書士の内定をもらえる人はクライアントと円滑なコミュニケーションが取れる人
司法書士の仕事は、書類作成など事務作業だけではありません。クライアントからの要望を、正確に聞き取るためにヒアリングをしたり、成年後見人であれば依頼主と連絡を取りながらサポートをします。
業務には、コミュニケーションが欠かせないので、司法書士で内定をもらえる人はコミュニケーション能力がある方が多いです。人と接するのが苦手な方は、傾聴力を鍛えると良いでしょう。
傾聴は、相手の話をよく聞き、要望や相手の考えを把握する力を養えます。相手の要望がわかれば、業務をスムーズに進めることができるので、普段の生活でも話を聞くことを意識して能力を磨いてください。
また、司法書士は他の士業の方と連携して、仕事を進める場合もあります。連携して業務を進めるためにも、良好な関係を築けるコミュニケーション能力が必要。
他の士業の方と関わりを持てれば、独立起業をした際にも、人脈が広がり仕事をもらえる可能性もあります。コミュニケーション能力は、司法書士には欠かせないスキルなので、日頃から意識をして高めるようにしましょう。
不動産登記や相続の書類など正確な仕事ができる真面目な人
司法書士の仕事は、書類作成が多いので、正確な仕事が求められます。不動産登記や相続など、記載されている内容に誤りがあれば、クライアントからの信用を失ってしまいます。
長く司法書士で働くためにも、正確さを意識した仕事ができる人が求められるでしょう。内定をもらっている方の多くも、丁寧な仕事ができる方が多いです。
司法書士は、手続きなどの代理業務が多いので、数字や情報の正確さに気をつけて仕事をしてください。前職で、事務作業の経験がある方は、アピールポイントになります。
事務作業も入力の正確さが問われる仕事なので、就職先で面接をする場合は、どのように会社に貢献したかを伝えましょう。また、司法書士の仕事は法律で細かいルールが定められています。
複数の仕事を同時に進行する場合、ルールに沿って正確に進める必要があります。書類作成の他にも、手続きに必要な書類集めをする場合も。
書類に漏れがあると手続きをする時間が長引き、業務に支障が出るので、司法書士はあらゆる業務で正確さが求められる仕事です。
法律について常に知識を学び続けることができる向上心のある人
法律は、時代によって変化していきます。司法書士になる際に、学んだ法律が変化する場合もあるので、常に学習し続ける向上心が求められる仕事。
現役で司法書士として働いている方も、常に法律の情報を集め、変化に対応しています。法律の変化に伴い、手続きの手順が変わる可能性もあるので、仕事をしながら学ぶ必要があるでしょう。
向上心のある方だと、変化に対応できるので事務所でも重宝されます。生涯現役で働ける司法書士だからこそ、法改正に対応できるようにしておかなければいけません。
司法書士で就職する際も、常に変化していることを意識し、情報収集をしながら面接に臨むのがおすすめ。意欲的な姿勢を示せるので、内定をもらいやすくなります。
好奇心があり、学習することが好きな方であれば、司法書士として信頼を得られて長く働くことができるでしょう。独立起業を目指す方であれば、法律の他に経営に関する知識も必要です。
人脈を広げる営業力なども必要になるので、新しい分野の学習も重要。自分のキャリアプランを実現させるためにも、常に学習を欠かさずスキルアップを目指してください。
【FAQ】司法書士の就職活動や就職先についてよくある質問
最後に、司法書士の就職活動や就職先について、よくある質問をまとめました。司法書士の資格を取得しても、就職先があるのか不安を抱えている方も多いので、未経験や年齢でおすすめの就職先を紹介します。
今後、司法書士としてキャリアを積みたいと考えている方は以下を参考にし、自分にはどの就職先が最適か、どのように就職活動を進めるか計画を立ててください。
司法書士になるにはいつから就職活動をしたらいい?適切な時期を知りたい
司法書士の求人が増えるのは、試験の合格発表がある10月です。求人が多い時期に始めると、さまざまな就職先から選ぶことができるので、10月から始めるのがおすすめ。
就職活動には、書類作成や就職先のリサーチなど、事前準備も必要です。スムーズに求人に応募できるように、書類などは合格発表前に書いておいても良いでしょう。
士業系の求人を扱う、転職エージェントや転職サイトに登録しておくのもGood。あらかじめ、キャリアアドバイザーにキャリアプランを相談し、司法書士の求人を紹介してもらうように頼んでおくと、希望に沿った就職先を見つけやすいです。
他の業界と比べると、司法書士の求人は少ないので、事前準備や早めの行動が重要です。社会人であれば、仕事をしながらの転職活動になるので、試験が終わった直後から準備を始め、就職活動に備えると良いでしょう。
司法書士は本当に就職できる?おすすめの就職先を知りたい
司法書士は、難易度が高い資格なので、保有者が少ない傾向です。しかし司法書士の需要は増えているので、就職活動の準備をしっかりと行っていれば、就職できる職業です。
司法書士の就職先として多いのは、司法書士事務所や司法書士法人。独占業務である登記をメインに依頼を受けていたり、相続や成年後見人を中心に仕事をしている事務所があります。
実務経験を積むことができるうえ、同じ司法書士が在籍しているので、業務の進め方を学びやすいのが魅力です。将来独立を目指している方は、司法書士事務所で実務経験を積むと、実力をつけられるのでおすすめ。
安定した収入を得たい方は、企業法務に就職するのが良いでしょう。企業法務は、法律面から経営者や事業者をサポートします。
経営に関する業務に携わることもできるので、やり甲斐のある仕事といえます。
未経験でも年齢が高くても司法書士として働けるのか不安
司法書士として働いている人の平均年齢は、47.2歳と他の職業に比べると高めです。生涯現役で働いている方も多いので、40代や50代で司法書士を目指す方も多いです。
司法書士の求人でも、年齢関係なく募集しているので、就職できない訳ではありません。また、司法書士の資格は保有している方が少ないので、未経験でも就職が可能です。
経験が浅い場合は、事務所で司法書士の実務経験を積むか、他の士業の補佐に回っても良いでしょう。補佐をすることで、法律の知識をどう活かして業務をすればいいのか、理解することができます。
未経験や年齢で、就職先が見つかるのか不安な場合は、転職エージェントや転職サイトを利用するのがおすすめ。転職エージェントであれば、キャリアアドバイザーが在籍しています。
キャリアに関する相談や、求人を紹介してくれるので、1人で就職活動を進めるよりも効率よく職場を探すことが可能です。
司法書士の就職活動を有利にするにはどのようなことをしたらいい?
司法書士の就職活動を有利に進めるなら、ダブルライセンスがおすすめ。ダブルライセンスは、司法書士の他に資格を取ることで、仕事の幅を広げることができ、就職先でもアピールポイントになります。
司法書士であれば、行政書士や土地家屋調査士などの資格を一緒に取ると、業務の幅が広がります。例えば、行政書士であれば、会社設立の手続きを一通りすることができます。
会社設立に必要な、定款の作成は行政書士ができ、登記の手続きは司法書士の資格を持っていると申請することができます。司法書士と行政書士は相性がいい資格といわれているので、両方の資格を持っておくことで、就職活動も有利になります。
司法書士よりも、行政書士や土地家屋調査士は、比較的資格が取りやすいので、就職活動に不安がある方はダブルライセンスを検討してみてください。