基礎知識 / 民法基礎知識 / 相続、遺産承継業務

相続を承認するにはどのような種類がある?単純承認とは -法務担当者向け基礎知識-

相続の承認、放棄は3つの種類に分かれる

相続の承認、放棄は3つの種類に分かれています。
単純承認・限定承認・相続放棄です。
ここでは、単純承認について簡単に解説したいと思います。

相続の承認

相続は、死亡と同時に開始します(民法882条)。
相続人は、相続をする、又はしない(相続放棄)を選択をする権利を有しています。
その相続人が、「相続します」と、自分の意思を表明することを「相続の承認」といいます。
単純承認は、文字どおり、全て単純に承認することをいいます。

マイナス財産もすべて相続

例えば、相続する中にマイナスの財産である債務(借金など)があった場合も、これも含めて全て相続することになります。
そのため相続した財産分よりも、借金などのマイナスの財産が多い場合もあり、プラスの財産で、そのマイナス分を払うことができない場合は、単純承認をした相続人が自らの財産で弁済する必要があります。

相続については、イメージ的には基本、土地や建物、お金などのプラスの財産を相続するものだと想像される方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、相続は、相続財産の中に土地や建物があったとしても、その住宅ローンが払い終わっていなかったり、あるいは被相続人が借金をしていて返済が終わっていない場合には、債務が残った状態になっています。

単純承認においてはこのマイナス財産も、まるっと全てを含めて相続することになりますので、ご注意ください。

相続の承認の手続

この単純承認の場合は、相続の放棄や、限定承認の場合とは違って、特別な手続きを行う必要はありません。
自己のために相続が開始したことを知った時から3か月経ったら、自動的に単純承認をしたことになります。

「自分は単純承認をしましたよ!」と自分の意思を表明することもできますが、した所で結果は一緒ですので、あまり意味はありません。
ここで注意が必要なのが、この「自動的に」という点です。

相続の承認・放棄の決定機関

自己のために相続が開始したことを知ってから、3か月経ってしまうと単純承認となるため、放棄したかったのに・・・や、限定承認したかったのに・・・ということができません。
ですので、自己のために相続が開始したことを知った場合は、速やかに相続財産の調査をして、相続をするのかしないのかを決断する必要があります。
そして、相続放棄や限定承認をしたい場合は、速やかに手続きを開始することが重要です。

法廷単純承認

単純承認が成立してしまうと、相続放棄や限定承認を行うことができなくなるからです。また、承認するかどうか決める前であっても、相続財産の全部又は一部を処分したりすると、単純承認したものとみなされてしまいます。この単純承認したものとみなされることを法律用語で「法定単純承認」といいます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。相続に関するご相談は永田町司法書士事務所までお問い合わせください。

千代田区永田町(赤坂)永田町司法書士事務所

会社法人登記(商業登記)の

ご相談・ご依頼はこちら
お問い合わせ LINE

ご相談・お問い合わせはこちらから