株主総会

非上場会社でも可能?メールや電磁的方法による株主総会招集・決議の実務対応

非上場会社でもメールで株主総会招集はできるのか?

「株主総会のIT化」と聞くと、上場会社向けの制度だと思われがちですが、実は非上場会社でも一定の手続を踏めばメールによる招集が可能です。

そもそも「電磁的方法」とは?

会社法施行規則では、電子メールなどの手段も「電磁的方法」に含まれるとされており、株主との事前合意さえあれば、紙の招集通知に代えてメールでの送付も有効となります。

非上場会社でのメール招集の実例

ある中規模の非上場会社は、株主数が比較的多く、郵送や手渡しによる招集通知が煩雑になっていました。
そこで代表者が検討したのが、「株主総会の招集通知をメールで送れないか?」というアイデアでした。

実際の対応手順は次の通り

1.株主に対し、電磁的方法による通知を希望するかどうか書面で照会
2.株主から、メール通知を承諾する旨の書面と受信アドレスの届け出を取得
3.会社側も、株主からの通知(例:委任状の返信など)を電磁的方法で受け取ることに同意

このように、事前の合意と記録が整っていれば、紙を使わずに招集通知や意思表示を行うことが可能です。

メールでの招集・決議の注意点

リスク・注意点 対応策
成りすまし(本人確認困難) 暗号化・電子署名・事前のメールアドレス登録を徹底
証拠性の確保 送受信ログ・署名入りPDFなどで保管
同意の有効性(証拠) 書面での承諾取得(印鑑付き)
意思表示の到達・成立時点の不明瞭 提案日・回答期限・成立日を定款または文書で明記


まとめ:定款次第で広がる柔軟なガバナンス運営

電磁的手段やメールによる手続は、非上場会社や士業法人にとって、柔軟かつ迅速な意思決定の実現につながります。
ただし、その有効性を確保するためには、

・定款への明示的な規定
・事前承諾の取得
・証拠性の担保

が不可欠です。

手続きのご依頼・ご相談

本日は、メールや電磁的方法による株主総会招集・決議の実務対応について解説いたしました。
会社法人登記(商業登記)に関するご依頼・ご相談は、司法書士法人永田町事務所までお問い合わせください。



本記事の著者・編集者

司法書士法人永田町事務所

商業登記全般・組織再編・ファンド組成・債務整理などの業務を幅広く取り扱う、加陽 麻里布(かよう・まりの)が代表の司法書士事務所。
【保有資格】
司法書士登録証

会社法人登記(商業登記)の

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